エアコン暖房の電気代や設定温度は?仕組みや冷房との比較、節約方法も解説!
更新日時 : 2024-11-14 12:40
寒い季節に部屋全体を暖めるのに便利なエアコンの暖房ですが、電気代を気にしてなかなか使用できない方も多いのではないでしょうか?
たしかに使い方によって、暖房は冷房より電気代がかさんでしまう可能性があるため、注意が必要です。
そこでこの記事では、電気代の節約の方法から暖房・冷房の仕組みや快適に過ごせる設定温度の目安、つけっぱなし運転は効果的なのかについて比較解説します。
また、エアコンのにおいやメンテナンスについても解説しますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
エアコンの暖房の設定温度の目安は?
暖房使用時におすすめの温度設定は何度なのでしょうか?お住まいの環境や個人差などもあり、快適と感じる温度は、まちまちだと思います。
エコを意識しつつ快適に過ごせる室温として、環境省ではエアコン暖房使用時の目安室温を20℃で推奨しています。
ただし、室温を20℃に設定するだけでは温かく感じられないことが少なくないです。そこで扇風機などで部屋全体に温かい空気を行き渡らせたりするなど、より快適に暖かく過ごすための工夫が必要となります。
また、快適に過ごすための工夫をするためにも、まず、エアコン暖房使用時の電気代が冷房より高くなる理由から確認していきましょう。
冷房より暖房のほうが電気代が高い理由
一般的にエアコンは冷房よりも暖房のほうが電気代が高いと言われています。その理由として、季節ごとの気温と快適と感じられる室温の差が関係してきます。
室内温度と設定温度の差が大きいと電気代が高くなる
エアコンの電力は、室内温度を設定温度にするまでが一番電気代が多くかかります。特に室内温度と設定温度の差が大きいほど、フルパワー運転をする時間が長いため、使用電力が多くなりがちです。
一例として2019年の東京の気温を参考に、環境省の推奨設定温度である「夏場は28℃、冬場は20℃」に設定した際の変動を見てみましょう。2019年の東京の8月の平均最高気温は33℃、12月の平均最低気温の平均は5℃です。
●33℃まで上がっている夏の空気を28℃まで温度を下げる場合
【夏場】5℃だけ下げると快適な温度になる。
●5℃まで下がっている冬の空気を20℃まで温度を上げる場合
【冬場】15℃も上げないと快適な温度にならない。
このように夏場の冷房の時期が5℃だけ下げる間だけパワーを使えばよいのにくらべ、冬場の暖房は適温にするまでに15℃上げるために長時間、パワーをかけて運転する必要があります。
お住まいの地域や住環境によっても状況は異なりますが、室温を適温にするためには冬場の暖房のほうが熱の移動が多く必要となります。
そのため、冬場はエアコンのフルパワー運転の稼働時間が長くなり、結果、暖房のほうが電気代が高くなりやすいです。
関連ページ:エアコンの電気代はいくら?暖房や冷房、除湿、つけっぱなしの場合、節約方法を解説
暖房の仕組み
続いて、暖房の仕組みについて解説します。エアコンはどのようにして部屋の温度を上げ暖かい部屋にするのでしょうか?エアコンは、冷房も暖房も同じようにヒートポンプ技術というものを使って部屋の温度を変動させています。
ヒートポンプ技術
ヒートポンプ技術とは、空気中にある熱を収集し、冷媒というガスに乗せて熱を移動させるというものです。例えば、冷えたコップの中の水が周囲の室温によって徐々にぬるくなっていく様子などが一番身近な熱の移動です。空気の中の熱がコップの中の水へ移動しています。
ただし、コップの中の水は周囲の温度以上に加熱されることはありませんが、ヒートポンプ技術はガスの特性を利用し、冷媒ガスを【膨張】や【圧縮】させることで、周囲の温度以上に空気を暖めたり、冷やしたりすることを可能にしています。
冷媒
空気はどんなに冷えていても熱を持っています。仮に【-10℃の空気】であっても【-20℃の空気】より、10℃分の高い熱を持っています。
エアコンの室内機と室外機は冷媒と呼ばれるガスが通っており、暖房時には外気の熱を冷媒が部屋の中に取り込んで温めています。冷媒は、膨張すると冷たくなり、圧縮すると温まります。
暖房時には冷媒を膨張させ冷たくし、外気から熱を部屋の中に取り込む準備をし、室内機に移動をしている途中で圧縮し、外気から取り込んだ熱を利用して、室内機で室内の空気を温めて部屋の中に届けています。
※冷房使用時は上記の工程を逆に行い、室内の空気の熱を室内機で回収して室外機から熱を放出しています。
暖房の電気代を節約する
冷房よりも電気代が高くなってしまいがちなエアコン暖房。冬は電気代を少しでも節約したいですよね。暖房時の電気代を節約するための方法を、ON/OFFのタイミングと部屋をより暖かくするポイントに分けてご紹介します。
運転したまま or こまめに切る?
暖房をオフにするタイミングは悩みますよね。長く部屋を空けるなら消すけど、ちょっとした外出のときはどうしたらいいんだろう?という方向けに、以下の4つに分けて電気代を抑える方法をご紹介します。
冷房より暖房のほうが電気代が高い理由でも解説した通り、暖房は設定温度に室温を上げるときに一番電力を使うため、熱を移動させるつけたり消したりを繰り返すと、かえって電気代が高くなってしまうので注意が必要です。
1時間以内の外出など短時間部屋を空ける
近所のスーパーへお買い物など短時間(目安:1時間以内)だけ部屋を空ける場合は運転したままにしましょう。冬は特に暖房を切るとすぐに温度が下がってしまうので、リモコンで弱設定にするなどしてから部屋を空けるようにしましょう。
なお、急遽用事が長引くような時に備え、外出前にOFFタイマーをセットすることをおすすめします。
数時間の外出
数時間外出をするときは、一度電源を切ったほうがいいでしょう。こまめに電源のオンオフをしないほうがいいとはいえ、数時間部屋を空ける場合は運転を停止しましょう。
朝でかけて夜まで帰らない
仕事など、朝出かけてから夜まで帰らない場合は、運転を停止しましょう。帰宅する時間があらかじめ分かっている場合は、タイマー機能で帰宅時間には部屋が温まっているように準備しておくのもおすすめです。
1日中部屋にいる
休日など、終日部屋にいる場合は、こまめに電源を入れなおすよりも電源を運転したままにしましょう。
部屋をより温かくするポイント
設定温度が低くても、ひと手間かけることで部屋をより暖かく、快適にするための工夫があります。下記6つのポイントをチェックすることで、より快適に過ごすことができます。
サーキュレーターや扇風機を使う
夏場にエアコンと扇風機を併用する方が増えていますが、暖房を使用する際もサーキュレーターや扇風機を併用することで効率よく部屋を暖めることが可能です。
暖房使用時に「足元は冷えるのに頭だけのぼせる」ような経験をされたことはありませんか?暖かい空気は冷たい空気より軽く、天井付近にたまりやすいです。そのため、足元だけ冷えて頭はのぼせるといった現象が起きます。
そこでサーキュレーターや扇風機を上向きにして運転することで、部屋の中の空気が循環し、暖かい空気が部屋の下まで降りてきますので、室内の空気の温度がある程度一定になり、「足元は冷えるのに頭だけのぼせる」といった状況を改善することが出来ます。
ホットカーペットを併用する
フローリングの部屋の場合、せっかくエアコンが温めた室内の空気が床から冷やされてしまうことがあります。そのような場合もホットカーペットを併用することで、エアコンの設定温度を控えめにしても「足元を暖める」ことにより体感として温かく感じることが出来ます。
外からの冷気を窓で遮断する
窓ガラスも外からの冷気を取り込みやすく、対策が必要です。すぐに可能な方法として、下記の3点をチェックしましょう。
- 厚手のカーテンを使用し、冷気を遮断する
- 足元まである窓の場合は床すれすれ(もしくは床にあたるくらい)の長めカーテンを使用し、なるべく隙間を少なくする
- 雨戸やシャッターがある場合、夜間は雨戸やシャッターを閉める(ブラインドがある場合はブラインドを閉める)
また、費用や時間、労力がかかりますが、窓ガラスに断熱シートをはったり、住宅メーカーなどへ相談のうえ、断熱ガラス(二重サッシなど)に替えるといった対策もあります。
電気代をお得にするポイント
電力会社を見直す
電力会社により、電気代は変わる可能性があります。現在契約されている電力会社を使い続けるよりも、電力会社を見直すことによって、同じ量の電気を使用しても電気代を抑えられるケースもあります。
また、同じ電力会社のままでも自分の生活スタイルによって契約内容を変えることで、電気代を抑えられる可能性もあります。今のプランが良いのか、契約中の電力会社の窓口に相談してみましょう。
現在ご契約中の電力会社の領収書などをもってノジマの店頭へご来店いただければ、店頭で電力会社の乗り換えなどのご相談も承ります。
リモコンの設定は自動運転にする
電気の節約はしたいけど、頻繁に設定温度を変える手間も省きたい!という方は「自動運転(おまかせ運転など)」がおすすめです。
暖房時のリモコン設定はどのようにしていますか?「強」だと電気代が多くかかりそうだから始めから「弱」運転にしておこう…という方は、自動運転にするほうがいいでしょう。
冷房より暖房のほうが電気代が高い理由でも説明した通り、エアコンは設定温度になるまでが一番電気を使用するため、むしろ自動運転で一気に温めたほうが経済的です。
室外機の周りを見直す
室外機の前面にものを置いていると、熱の取り込みがうまくいかずに、効率が下がり電気代がかさむ可能性があります。また、雪によって室外機の周囲が覆われてしまうと同様に効率が下がります。室外機の周りには、極力なにも置かないようにしましょう。
冬は夏場と違い、室外機が陽に当たるようにすると効率がよくなります。夏場、冷房効率を上げるためにすだれなどで日陰にされていた場合は外していただき、室外機に日光が当たるようにしましょう。
関連ページ:エアコンが冷えない?室外機の掃除&日よけで解決!水没や雪のトラブル対処法も
フィルターの掃除をこまめにする
エアコンのフィルターが詰まっていると、空気の吸い込み効率が下がり余計な電気代がかかってしまいます。こまめにフィルターを掃除したり、必要に応じてフィルターの交換をするようにしましょう。
また、空気の吸い込み口にホコリが溜まっている場合、掃除機やハンディモップなどで、ホコリを取り除きましょう。
においが気になったらカビが原因かも
エアコンを久しぶりに稼働したとき、いやなにおいがすることはありませんか?エアコンから出る風が臭いと感じるときはエアコン本体の内部が汚れている可能性があります。
エアコンは部屋の空気を吸い込み、冷たくしたり暖かくしたりしています。空気を吸い込むときにホコリなどの汚れも一緒に吸い込まれるため、定期的なフィルター清掃は衛生面からもおすすめします。
特に夏場など冷房や除湿運転をしていた際は、エアコンの内部にできる結露が汚れと結合することにより、カビが発生しやすくなります。そのカビがにおいの原因になります。(環境によって冬場でもカビがそのまま残っている可能性があります)
エアコンの稼働時にカビ臭いと感じたら、エアコン内部の掃除を検討してください。(水漏れやエアコン本体などの故障原因となる可能性もあるため、内部清掃は専門の技術を持ったメーカーや業者への依頼をおすすめします)
暖房使用時の乾燥対策
エアコンの暖房を使用していると気になるのが乾燥ですよね。空気が乾燥していると肌がカサついたり、のどを痛めたりなど、トラブルにつながる可能性があります。
エアコン暖房で部屋の乾燥が気になるときは、下記の方法で乾燥対策ができます。
- 加湿器の使用
- 濡れタオルをハンガーにかけておく
- 洗濯物を部屋干し
また、加湿機能を備えたエアコンもあります。これから買い換え予定がある方は、ぜひノジマの店頭にてご相談ください
まとめ
エアコンの暖房について解説しました。様々な対策をすることでエアコン暖房を快適に、また、エコに活用することが出来ます。
また、お使いのエアコンに不安や不満なことがあれば店頭でもご相談を承っております。ぜひお近くのノジマへご来店いただき、お気軽にご相談ください。
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