三眼スマホが全盛でもやっぱり一眼レフが好き!写真好きなら一眼レフに注目してほしい理由
更新日時 : 2019-12-14 18:28
3つのレンズを搭載した「三眼スマホ」の登場で写真の画質が向上し、スマホカメラが一眼レフカメラの性能に迫る勢いを見せています。それでも一眼レフでしか表現できない領域はまだ多く、一眼レフの魅力は色あせません。三眼スマホと一眼レフの違いを比べてみましょう。
スマホカメラの「三眼時代」がスタート!
2019年に発表されたスマートフォンは三眼カメラがトレンドになりました。1台のスマホに超広角、広角、標準レンズの画角の異なる3つのレンズを搭載。ファーウェイが火付け役となり、サムスン、ソニー、Wiko(ウイコウ)も三眼スマホを発表したほか、AppleもiPhone11シリーズで三眼スマホを投入しました。
ちなみに、ご存知の方も多いかもしれませんが、広角レンズとは簡単に説明すると“広い範囲(角度)撮影できるレンズ”のことを指します。
スマホカメラは本体の厚さに制約があるため、画質の優劣を左右する「イメージセンサー(撮像素子)」の大型化が難しく、さらに画質のきれいな「光学ズーム」を持つことができないという弱点がありました。
イメージセンサーは、一眼レフやミラーレス一などの本体レンズ装着部の奥にある鏡のような部分を指します。昔のカメラに例えるとフィルムに相当する部分で、大きければ大きいほど高画質を実現します。
つまり、誤解を恐れずに言うと、イメージセンサーが大きいほどレンズを通して入ってきた光が集めやすく、その結果、きれいで明るい高画質な撮影が可能になります。
そのため、カメラ専用機器ではない薄型のスマホに大型イメージセンサーをおさめるスペースはありません。また、スマホカメラのズームは画像を切り取ってそのまま引き延ばす「デジタルズーム」のため、ズームすればするほど画質は粗くなってしまいます。
最新モデルのものは別として、少し前のスマホのカメラで夜間など暗いところで撮影すると、写真に少しノイズが入るケースがあるなど、なかなかきれいに撮れない……という体験をしたことがある人もいるでしょう。
スマホの三眼カメラは、このセンサーとズームの問題点を解決しました。レンズを複眼化することで、イメージセンサーを大型化する代わりに複数のイメージセンサーを併用・合成して画像を向上させ、2~3倍相当の光学ズームも可能に。複数のレンズでより多くの光を取り込めるため、夜間撮影にも強くなりました。
自然なボケ感と望遠で存在感を示す一眼レフ
カメラの機能を進化させた三眼スマホの登場で「もう一眼レフはいらない」といった声も聞かれます。それでも、一眼レフにはスマホカメラでは撮れない写真を撮ることができます。
一眼レフの特徴に、背景をぼかして被写体を際立たせる撮影方法があります。いかに自然に「ボケ感」を出せるかは腕の見せどころです。
三眼スマホにも背景をぼかすポートレートモードやアプリがありますが、ボケ感をソフト面で作りだしているため、平面的で不自然なボケになることも。ボケ感はカメラに搭載されたイメージセンサーの大きさに影響されるため、一眼レフの方が有利です。
被写体が素早く動いている場合、シャッタースピードを細かく調整できる一眼レフなら、適切なシャッタースピードに設定して、より躍動感のあるショットや流し撮り(※動いている被写体に合わせてカメラを動かし、背景を流してスピード感や躍動感を出す撮影方法)の写真を撮ることができます。
その被写体との距離が長く、望遠が必要な場合は三眼スマホの2~3倍相当の光学ズームでは足りません。野鳥や動物、スポーツ、鉄道などの撮影は、一眼レフと望遠レンズがあれば安心です。
夜景やイルミネーション、室内などの暗い場所での撮影は、大きなイメージセンサーを持つ一眼レフが有利です。
ただし、三眼スマホの夜間撮影の進化はめざましく、シングルレンズのスマホによく見られるザラザラした点々のノイズも抑えられ、クリアな夜の写真を実現しています。
ボケにこだわる写真、動く被写体を望遠で狙う写真は一眼レフの独壇場ですが、日中などカメラ持った人の背後から光があたるような「順光」の状況で撮る風景写真や夜間の写真は、三眼スマホは一眼レフと遜色ない写真に仕上がります。
三眼レンズの登場で、三眼スマホと一眼レフの差は縮まってきているようです。
一眼レフと三眼スマホの両立で写真ライフを充実!
一眼レフは複数のレンズを交換しながら、状況に応じた細やかな撮影が可能です。絞りやシャッタースピード、レンズ、ライティングなどを操り、被写体をよりきれいに撮るために工夫を凝らす楽しみがあります。一眼レフ特有の奥行きのある立体的な表現、深みのある色合いは捨てがたく、撮影時の没入感は何物にも代えがたい体験です。
三眼スマホの超広角、広角、標準レンズを一眼レフに置き換えれば、本体+交換レンズ3本ほどで2kgくらいの重量となります。三眼スマホはその重量分の機能がポケットに収まってしまいます。超広角レンズ搭載によって、自撮り棒なしで複数人がワイドな画面におさまる自撮りも可能になりました。
三眼スマホ VS. 一眼レフ
三眼スマホ | 一眼レフ | |
重量 | ○ 軽い | ✕ 重い |
持ち運び | ○ しやすい | ✕ しにくい |
自撮り | ○ しやすい | ✕ しにくい |
イーメージセンサー | △ やや小さい | ○ 大きい |
ズーム距離 | ✕ 短い | ○ 遠い |
レンズ交換 | ✕ できない | ○ できる |
ボケ感 | ✕ 人工的 | ○ 自然 |
ボケさせる撮影 | ✕ 距離が一定 | ○ 距離の幅が広い |
夜間ノイズ | △ やや少ない | ○ 少ない |
動きのある被写体 | △ やや苦手 | ○ 得意 |
まとめ
被写体を手間なくきれいに撮影できる三眼スマホの写真を、高品質の「記録」とすれば、一眼レフの写真は撮影者の思いがこもる「作品」ともいえます。
重たいカメラとレンズを持ち込みたくない場所はサブカメラとして三眼スマホを持ち歩き、撮影に集中したいときは一眼レフを構えるなど、両者を状況に応じて使い分ければ、カメラの世界がより広がります。
今はSNSなどで写真を世界中の人とシェアする時代。三眼スマホと一眼レフの両方を駆使して、写真を通じて感動を共有してみてはいかがでしょうか。
お近くのノジマでも一眼レフやミラーレス一眼、コンパクトデジカメを取り扱っております。ぜひ、ご来店をお待ちしております。
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