【2025年1月開始】双方向番号ポータビリティとは?いつから開始かわかりやすく解説
更新日時 : 2025-01-13 17:43
2025年1月から受付が開始される「双方向番号ポータビリティ」。この仕組みにより、異なる通信事業者間での固定電話番号の移行が可能になります。
本記事では、双方向番号ポータビリティの仕組みや、どういったメリットがあるのかを解説するので、従来の仕組みとの違いがわからない方は参考にしてください。
双方向番号ポータビリティについて分かりやすく解説いたします!
目次
双方向番号ポータビリティとは?
双方向番号ポータビリティとは、固定電話の電話番号を変更せずに、他の通信事業者のサービスに乗り換えることができる仕組みです。
双方向番号ポータビリティを理解するには、既に広く普及している「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)」の仕組みを知ることが参考になるでしょう。
MNPは携帯電話ユーザーに多くのメリットをもたらし、通信事業者間の乗り換えを容易にしました。同様の考え方が、固定電話において「双方向番号ポータビリティ」として取り入れられています。
双方向番号ポータビリティで何が変わる?:2024年まで
参考として携帯電話の場合は、ドコモからau、auからソフトバンク等、契約会社を変える場合でも携帯電話番号をそのまま引き継げる仕組み(携帯電話番号ポータビリティ(MNP))があります。
この仕組みによって、他社のサービスがより良ければ(価格が安い、繋がりやすい等)、電話番号を変えることなく会社を乗り換えすることが出来るため、ユーザーにとってより良いサービスを手軽に選択できるといったメリットを受けられます。
しかし、従来の固定電話サービスでは、「NTT東日本・西日本⇒他の通信事業者」のみ電話番号の移行が可能な「片方向番号ポータビリティ」になっており、他の通信事業者で取得した番号は移行できません。そのため、通信事業者を変更する際に電話番号の移行ができず、他社への乗り換えが難しい状況でした。
双方向番号ポータビリティで何が変わる?:2025年1月から
そこで今回、この状況を改善するために、固定電話番号をどの通信事業者でも移行できるようにする双方向番号ポータビリティが開始されます。
全ての固定電話番間で引き継ぎができる訳ではないものの、以前より多くのケースで電話番号を引き継ぐことが可能になりました。
これにより、今まで電話番号を変わることにより、乗り換えを断念した方でも、よりサービスの質が高い光回線への乗り換えがしやすくなったといえるでしょう。
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双方向番号ポータビリティ対象の番号
双方向番号ポータビリティは、0AB-J番号で利用可能です。一般的に通信事業者が払いだした固定電話番号や、ひかり電話サービスの申し込み時に取得した番号が対象になります。
0AB-J番号とは、固定電話番号の形式の一種で、地域ごとに割り当てられる市外局番を含む番号のことです。例えば、東京は03、大阪は06から始まる番号が該当します。
従来の番号ポータビリティは、同じNTT収容局エリア内のみ対象でしたが、双方向番号ポータビリティでは、同じ市外局番エリア内であれば同一番号で移行が可能です。
双方向番号ポータビリティ対応の光回線
双方向番号ポータビリティでは、光回線が提供しているIP電話サービスで取得した0AB-J番号を、異なる通信事業者に移行できます。
同一番号の移行に対応している光回線の種類は、次の3つです。
- フレッツ光
- 光コラボ(光コラボレーションモデル)
- 独自回線
それぞれの特徴は以下の様になっていますよ。
光回線の種類 | 発番された電話番号のまま乗り換え | 料金 | 回線速度 | 利用エリア |
フレッツ光 | 2025年1月から可能 | △ | 〇 | 〇 |
---|---|---|---|---|
光コラボ | 2025年1月から可能 | 〇 | 〇 | 〇 |
独自回線 | 2025年1月から可能 | 〇 | 〇 | △ |
フレッツ光
フレッツ光は、NTT東日本およびNTT西日本が提供している光回線サービスです。日本国内で広く普及しており、多くの家庭や企業で利用されています。全国的に高いエリアカバー率を誇っており、都市部だけでなく地方でも利用しやすいのが特徴です。
IP電話サービスの「ひかり電話」では、0AB-J番号の固定電話番号を取得できます。双方向番号ポータビリティに対応しているため、ひかり電話で取得した番号を維持したまま他の通信事業者に移行が可能です。
フレッツ光はプロバイダーの選択肢が多く、自宅の環境に合わせて好きなプロバイダーを選べるというメリットもあります。しかし、他の光回線と異なり、回線とは別にプロバイダー契約が必要です。また、キャンペーン特典や割引が少ないため、月額料金が高くなりやすい傾向があります。
光コラボ(光コラボレーションモデル)
光コラボは、「光コラボレーションモデル」の略称で、NTTのフレッツ光回線を他の通信事業者が借り受け、自社ブランドとして提供している光回線サービスのことです。
代表的な光コラボには、次のようなサービスがあります。
- ドコモ光
- ソフトバンク光
- @nifty光
光コラボのサービスは回線品質がフレッツ光と同等で、全国どこでも安定したインターネット接続やひかり電話の利用が可能です。
フレッツ光とは異なり、回線契約とプロバイダーがセットになっているので、月額料金が安いという特徴があります。さらに、各通信事業者が独自のキャンペーンやスマホとのセット割引などを提供しており、お得に利用できることが多いです。
光コラボは、フレッツ光と同じ回線設備を使用しているため、フレッツ光⇔光コラボや光コラボ間での乗り換え時に開通工事が不要で、工事費用を抑えられます。
独自回線
独自回線は、フレッツ光や光コラボといったNTTが提供する回線を使用したサービスではなく、通信事業者が独自に構築した回線設備を使用しています。自社の回線を使用するため回線混雑が少なく、フレッツ光や光コラボよりも高速かつ安定したインターネット接続が可能です。
代表的な独自回線は、以下のとおり。
- auひかり
- NURO光
- eo光
- コミュファ光
- JCOM
auひかりやNURO光は、通信事業者によって敷設された光ファイバーケーブルのうち、稼働していないケーブル(ダークファイバー)を使用した光回線です。
eo光やコミュファ光は電力会社が保有する回線設備を使用し、サービスを提供しています。電力系光回線は各地域の電力会社によって提供されているため、利用できる人が限定的です。
JCOMは、ケーブルテレビ(CATV)の回線を使用してインターネット接続を行っています。通信エリアや建物の設備によっては、光ファイバーではなく従来の同軸ケーブルが使用される場合があります。
双方向番号ポータビリティのメリット
双方向番号ポータビリティが導入されることで、どういったメリットがあるのか紹介します。
電話番号を変更せずに通信事業者を変更できる
従来の仕組みでは、通信事業者を変える際に新しい電話番号を取得することが多く、これまで使用してきた番号の変更が必要でした。そのため、知人や離れて住んでいる家族に新しい番号を知らせる手間がかかりました。
双方向番号ポータビリティが導入されると、電話番号を維持したまま異なる通信事業者に乗り換えられるようになるため、そういった手間がなくなります。
通信事業者を自由に選べる
双方向番号ポータビリティの導入によって電話番号の変更が不要になると、通信事業者選びの自由度が向上します。これまでは他社乗り換え時の番号変更が障壁になっていましたが、これがなくなることで、サービス内容や通信品質などを重視した選び方が可能になります。
コストを削減できる
これまでは、通信事業者を変えると電話番号を変更する必要があったため、料金面に不満があっても乗り換えが難しい状況でした。
しかし、今回の双方向番号ポータビリティの導入により、より安いサービスへの乗り換えが可能になります。また、新たに電話番号を取得する必要がなくなることで、関連する費用を削減できるため、他社に乗り換える際のコストを抑えられます。
ビジネスの継続性が向上する
固定電話で連絡を取ることが多い企業や個人事業主は、番号を変更すると既存の顧客や取引先との連絡が途切れるリスクがあります。
双方向番号ポータビリティが導入されれば、通信事業者を乗り換えても継続的に業務が行えます。また、番号変更による周知の手間や事務処理(名刺。Webサイト、広告など)コストがかかりません。
双方向番号ポータビリティはいつから開始?
固定電話の双方向番号ポータビリティは、2025年1月14日(火)から申し込み受付が開始されます。
対象の固定電話サービス提供事業者は、以下の18社です。
- 株式会社アイ・ピー・エス・プロ
- アルテリア・ネットワークス株式会社
- 株式会社STNet
- NTTコミュニケーションズ株式会社
- 株式会社エネコム
- 大江戸テレコム株式会社
- 株式会社オプテージ
- 株式会社QTnet
- KDDI株式会社
- Coltテクノロジーサービス株式会社
- 株式会社三通
- ZIP Telecom株式会社
- ソフトバンク株式会社
- 中部テレコミュニケーション株式会社
- 株式会社トークネット
- 楽天モバイル株式会社(楽天コミュニケーションズ株式会社)
- 西日本電信電話株式会社(NTT西日本)
- 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
総務省は「電気通信番号計画」に基づき、2025年1月末日までに全ての通信事業者間で双方向番号ポータビリティが利用可能になるよう準備を進めることを定めています。
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双方向番号ポータビリティの初期費用
固定電話の双方向番号ポータビリティでは、一般的に以下のような費用がかかりますが、利用する通信事業者によって異なります。
- 事務手数料
- 回線工事費用
- 交換機などの設定変更費用
移行元の通信事業者の契約内容によっては、解約時に違約金が発生する場合があります。
双方向番号ポータビリティにかかる正確な費用を把握したい方は、事前に通信事業者に問い合わせて確認しましょう。
双方向番号ポータビリティの手続き方法
双方向番号ポータビリティに必要なものと、申し込み時の基本的な流れを解説します。
双方向番号ポータビリティに必要なもの
双方向番号ポータビリティの手続きを進めるために、以下の情報を事前に用意しておきましょう。
- 現在利用中の電話番号
- 現在利用中の通信事業者名
- 現在利用中の電話サービス名
- 設置先住所
- 契約者情報
双方向番号ポータビリティの申し込み手順
双方向番号ポータビリティ申し込みの基本的な流れは以下のとおりです。
- 移行先の通信事業者に番号ポータビリティを申し込む
- 番号ポータビリティの対応可否通知が届く
- 番号ポータビリティの工事日程を調整する
- 移行先の通信事業者が切り替え工事を実施する
移行先の通信事業者に申し込みを行った際、番号ポータビリティの対応可否確認が行われます。対応不可の通知が届いた場合は、番号ポータビリティできません。一部の通信事業者では番号ポータビリティに対応していない場合もあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
双方向番号ポータビリティができないケース
ここでは、双方向番号ポータビリティが利用できないケースを紹介します。
異なる市外局番エリア間での移行
双方向番号ポータビリティは、基本的に同じ市外局番エリア内でのみ利用可能です。例えば、「03(東京都)」から「06(大阪府)」のように、市外局番が異なるエリア間で番号を移行することはできません。
そのため、異なるエリアが変わる引っ越しなどをする場合は、新しい住所で電話番号を取得する必要があります。
050番号などの一部IP電話番号
双方向番号ポータビリティは、0AB-J番号の固定電話番号を対象としており、IP電話専用の050番号などは移行の対象外です。
050番号は市外局番を持たず、地域に依存せずに利用できるという特徴があります。一方で、0AB-J番号とは仕組みが異なるので、番号ポータビリティを実現するためにはコスト増加やシステム管理上の課題があり、対象外となっています。
技術的に制約があるエリア
一部の地域では、通信事業者の設備やシステムの制約により、双方向番号ポータビリティが利用できない場合があります。例えば、地方の小規模な通信事業者や、技術的に古い設備を使用している事業者は、番号の移行ができない可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回は、双方向番号ポータビリティとはどういった仕組みなのか解説しました。
- 電話番号を変えずにインターネット事業者を乗り換え可能
- 番号変更の手間が省ける(通知や更新作業の削減)
- コスト削減やより良いサービスの選択が可能
- 企業の番号維持でビジネスの継続性が向上
従来の片方向番号ポータビリティでは、NTT東日本・西日本から他の通信事業者への乗り換えに限り、電話番号の移行が可能でした。2025年1月からは双方向番号ポータビリティの導入により、異なる通信事業者間での電話番号移行ができるようになります。
これにより、他社への乗り換え時に電話番号を変更する必要がなくなるため、自分の通信環境に最適なサービスを選択しやすくなるでしょう。
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