【2027年で生産終了】蛍光灯の生産・輸出入が禁止になる理由と対応策は

更新日時 : 2024-07-02 14:30

【2027年で生産終了】蛍光灯の生産・輸出入が禁止になる理由と対応策は

2027年に蛍光灯の生産・輸出入が禁止になるのをご存知でしょうか。

水銀による健康被害や環境汚染を防ぐため、水銀の使用や排出を国際的に規制することを目的とした「水銀に関する水俣条約」が2023年11月に締結されたのです。

これにより蛍光灯の値上げ、品不足、LED照明の値上げなどが予想され、蛍光灯の2027年問題とも言われています。

そこで、この記事では蛍光灯の生産・輸出入が禁止になる理由や対策方法など、詳しく説明します。

蛍光灯の2027年問題で困らないよう、ぜひお役立てください!

記事の監修
株式会社ノジマ 家電小ネタ帳編集部


株式会社ノジマは、関東を中心に200以上の店舗を展開している、東証プライム市場上場の企業です。
メーカー販売員のいない唯一の家電専門店なので、メーカーに忖度せず、お客様ひとりひとりにあった商品をご案内しております。
家電や携帯電話、光回線のことなら、お気軽にご相談ください!

目次

蛍光灯が製造・輸出入が禁止になる理由とは

蛍光灯が生産禁止になる理由とは

2023年11月3日に行われた「水銀に関する水俣条約」にて、2027年末までに順次製造及び輸出入を禁止するとし、蛍光灯2027年問題ともいわれています。

なぜそのような決定がなされたかを詳しく説明していきます。

健康被害への懸念

健康被害への懸念

「水銀に関する水俣条約」は、水銀の使用や大気への排出、水や土壌への放出を国際的に規制するための条約です。

水俣病は、化学工場から海や河川に排出されたメチル水銀化合物を吸収した魚介類を食べたことにより起こった、中毒性の神経疾患です。

なお、蛍光灯の種類ごとに生産・輸出入禁止となる時期が異なります。

コンパクト蛍光灯は2026年12月31日、直管蛍光灯や環形蛍光灯は2027年12月31日に生産・輸出入が禁止へ。
また「ハロリン酸塩系」蛍光灯は2026年12月31日、より高効率と高演色性の「三波長形」蛍光灯は2027年12月31日に生産・輸出入が禁止される予定です。

種類ごとの禁止時期は以下の表も参考にしてみてください。

種類・タイプ 禁止年月日

直管蛍光ランプ

直管蛍光ランプ

2027年12月31日

環形蛍光ランプ

環形蛍光ランプ

2027年12月31日

コンパクト形蛍光ランプ

コンパクト形蛍光ランプ

2026年12月31日
ハロリン酸塩系蛍光灯 2026年12月31日
三波長形蛍光灯  2027年12月31日

環境への配慮

環境への配慮

水銀は環境中に排出されると、前述のとおり、水や土壌などの自然界を汚染します。

現在、水銀は途上国を中心にさまざまな用途に使われています。
地球規模で水銀汚染を防ぐため、「水銀に関する水俣条約」が締結され、日本での蛍光灯の生産禁止が合意されました。

2027年以降は買えないのか

2027年以降は買えないのか

メーカー各社が次々に生産終了を発表しているため、在庫が無くなり次第、購入できなくなってしまいます。

また、材料の調達が困難になる、材料価格の高騰などから、蛍光灯の値段が高くなる可能性があります。

蛍光灯の製造・輸出入が禁止されるとどうなる?

蛍光灯の製造・輸出入が禁止されるとどうなる?

蛍光灯の製造・輸出入が禁止された理由は分かりましたが、実際どのような影響が出るのでしょうか。詳しく解説していきます。

蛍光灯の品不足、値上がり

蛍光灯の品不足、値上がり

国内主要メーカーが、蛍光灯器具の生産を続々と終了しており、現在は蛍光灯のみを生産している状況です。

現在生産しているメーカーは、東芝ライテック・パナソニック・ホタルクスの3社のみです。

3社とも、原材料の価格上昇、物流費用、電気・ガス等の費用の増加などを理由に値上げを繰り返しています。

各社の値上げ率は以下の表でご確認ください。

メーカー 商品 値上げ率
東芝ライテック 直管形蛍光灯(一般形) 約90%
パナソニック 直管蛍光灯(一般色) 約80%
ホタルクス 直管蛍光灯(一般形) 約80%

すでにこれだけの値上げがされているため、2027年にはもっと高くなっている可能性があります。
また、メーカーが製造を縮小する可能性も十分考えられます。

LED照明の値上がり

昨今の原材料価格の高騰、物流関連費用の上昇、部品などの調達費用などの増加により、すでにLED照明の値上がりしています。

例として、パナソニックは2023年4月1日に平均で10%から20%の値上げをしています。

このまま、物価高騰の波が続くと、更にLED照明が値上がりすることも考えられます。

また、蛍光灯の製造・輸出入が禁止される期限である2027年に近づくにつれ、商品が少なくなる可能性も考えられます。

蛍光灯の製造・輸出入禁止の対応策はLED照明への切り替え!

対応策はLED照明への切り替え!

政府は、温室効果ガス排出の抑制、地球温暖化対策として、2030年までにすべての照明のLED化を目標に掲げています。

ここからはLED照明について詳しく解説していきます。

LED照明のメリット

寿命が長い

寿命が長い

蛍光灯や白熱電球は、フィラメントが断線することにより、点灯しなくなります。
電気が切れて交換した経験がある方も多いのではないでしょうか。

一方、LED電球はLEDチップが光源となっているので、断線して点灯しなくなることは、ほぼありません。

しかし、LEDチップが経年劣化することにより、寿命が近づくと、「暗くなっていく」「点滅する」といった症状が発生します。

パナソニックによると、LEDの寿命は40,000時間とされています。
1日8時間利用した場合10年以上使える計算になります。

ただし、日本照明器具工業会では、LED照明は30,000時間を過ぎると劣化が始まることから、10年を目安での交換を推奨しています。

※参考:パナソニックLEDの寿命
日本照明器具工業会「JIS C 8105-3 照明器具 – 第3部:性能要求事項通則

消費電力が少なく省エネ効果が高い

消費電力が少なく省エネ効果が高い

白熱電球は、フィラメントは発熱させる事で光を出しています。
そのため、供給される内の多くの電力が熱になってしまい、明るくするために多くの消費電力が必要になります。

一方、LED電球は、半導体が電気エネルギーを直接光に変換していますので、供給される電力のほとんどを光として放出しています。

そのため、少ない消費電力で明るく照らすことができ、省エネ効果が高いのです。

紫外線・赤外線があまり出ない

紫外線・赤外線があまり出ない

LED照明は、紫外線・赤外線の放出が、白熱電球などと比べてほとんどありません。
そのため、紫外線に寄ってくる蚊や、ハエなどが来なくなります。

また、LED照明は赤外線もほとんど放出されないため、安全に使うことができます。

すぐに明るくなる

すぐに明るくなる

LED照明は、蛍光灯や白熱電球に比べ、点灯してすぐに明るくなる性質を持っています。

明るくなるまでのタイムラグが少ないので、玄関、廊下、洗面所やトイレなどのすぐに明るくなってほしい場所に最適です。

環境に優しい

環境に優しい

CO2(二酸化炭素)が増え地球温暖化が進むと、環境にさまざまな影響を及ぼします。

昨今の猛暑や、強い台風、集中豪雨など、異常気象による災害や、海外などでは熱波による大規模な火事など、深刻な問題となっています。

LED照明は消費電力が少ないため、排出するCO2が少なく、環境への負荷が軽くなります。

照明器具ごと買い替える

照明器具ごと買い替える

LEDへの切り替えは照明器具ごと買い替える方法が一番オススメです。

現在、LED照明器具はーリングライト、おしゃれなペンダントライトやスポットライトなど、お部屋の用途や雰囲気に合わせて選ぶことができます。

また、最近ではステレオスピーカーを搭載したLEDシールングライトや、音声で操作できるシーリングライトなども登場。

インテリア性の高い製品や機能性が高い製品がたくさん展開されているのも魅力的です。

直管形LEDに切り替える

直管形LEDに切り替える

お使いの照明器具に直管形LEDを装着して使う方法です。

ただし、直管型LEDを使うには、現在使っている照明器具の「安定器」の有無の確認、口金のサイズの確認が必要になります。

「安定器」がついている照明器具の場合は、電気業者での工事が必要になります。

また、直管型LEDは種類も少ないので、照明器具ごと買い替えるほうがおすすめです。

LED照明の選び方

LED照明の選び方

サイズをチェック

サイズをチェックする

照明器具に取り付ける金属部分の「口金」のサイズの確認が必要です。
口金は、直径26mmのE26口金、直径17mmのE17口金など直径でサイズが変わります。

取り替える際は、定規で口金を測ってサイズを確認してください。

また、照明器具の傘やカバー部分に接触しないよう、LED電球の長さや直径の確認も一緒に行っておいてください。

明るさをチェック

明るさをチェック

電気の明るさの単位はW(ワット)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
白熱電球の場合は消費電力に比例して明るさが変わるため、電球の明るさの基準になっていました。

一方、LEDの明るさは「lm(ルーメン)」で表されます。
lmは光束とも言われ、光源から放出された光の量を表しています。
LEDは消費電力が少なく、Wで明るさを判断するのが難しため、lmで表されるようになりました。

lmの値が大きいほど、明るくなります。

配光をチェック

配光をチェック

配光とは、光の広がり方です。
点灯時に口金からどのくらいの角度に光が広がるのかを表しています。

例として、パナソニックのLED電球では以下のような製品があります。

パナソニックのLED電球では以下のような製品があります。

※画像出典元:パナソニック

全方向タイプは、光の広がり方が白熱電球に近いため、リビングやさまざまな場所におすすめです。

広配光タイプは、均等に広範囲を明るく照らすのでダイニングや玄関などにおすすめです。

下方向タイプは、廊下、トイレや洗面所、またスポットライトの照明器具などにもおすすめです。

配光タイプ おすすめ設置場所
全方向タイプ リビングをはじめさまざまな場所
広配光タイプ ダイニングや玄関
下方向タイプ 廊下、トイレや洗面所

調色・調光機能をチェック

調色・調光機能をチェック

調色とは光の色を調節する機能です。

上記の画像のように、赤みがかった「暖色系」から青みがかかった「寒色系」があります。

例えば、起床時はさわやかな寒色系の色、食事をする際はくつろげる暖かみのある色、勉強のときは文字が見やすい白い色など、ライフスタイルや好みに色を調節することができます。

調光とは、光の明るさを調節する機能です。

例えば、夜や雨の日など陽が当たあたらない時は、100%の明るさ、昼間などは50%の明るさ、など好みに合わせて明るさを調節することができます。

明るさを下げることにより、省エネ効果も見込めます。

なお、LEDシーリングライトの選び方は以下の記事でも詳しくご紹介しています。

蛍光灯の生産・輸出入の禁止についてよくある質問

蛍光灯の生産・輸出入の禁止についてよくある質問

Q1:既存の照明器具にLEDはつけれる?

既存の照明器具にLEDはつけれる?

A1.直管型であればつけることはできます。

ただし安定期の有無、既存の照明器具が経年劣化している可能性もあるため、照明器具ごと取り替える方が安心です。

Q2:LED照明への切り替えはいつがいい?

LED照明への切り替えはいつがいい?

A2.LED照明の値上げ・商品不足が懸念されますので、早めの交換が良いでしょう。

LED照明は、省エネ効果も高いですし、ここまで説明してきたとおり早めの交換をおすすめします。

Q3:古い蛍光灯の捨て方は?

古い蛍光灯の捨て方は?

A3.燃えないゴミとして処分することができます。

ただし、お住まいの自治体によりルールが異なりますので、地域のルールをご確認ください。

その他、ノジマ店頭でも処分を承っています。
店舗に設置されている回収ボックスへ投入していただくか、スタッフへお渡しいただきますようお願いします。

LED照明のご相談はノジマへ!

ノジマはメーカー販売員のいない唯一の家電専門店です

今回は2027年に蛍光灯が生産終了となる理由と、対策方法をご紹介しました。

生産禁止が近づくにつれ、蛍光灯の在庫不足や価格が上昇する可能性があります。
また、材料価格の高騰により、LED製品の価格が高騰する可能性も。

ノジマ店頭では、直管型LEDやLEDシーリングライトなどの照明器具を豊富にご用意しております。

お部屋の雰囲気に合わせたものが欲しい、寝室向きのものが欲しいなど、お客様のご要望に沿った商品をご案内いたします。

省エネ家電についてや省エネ方法なども、お気軽にご相談ください!

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