プラチナバンドとは? 注目される背景やメリット・デメリット、主要携帯会社の通信に関する強み、通信速度などを解説!
更新日時 : 2023-10-31 16:06
携帯電話の利用を快適にするプラチナバンド。楽天モバイルが獲得したとのニュースでも話題となっています。
どのような意味を持っているのか、あらためて気になっている方も多いでしょう。
今回は、プラチナバンドの概要をはじめ、注目される背景やメリット・デメリット、主要携帯会社の通信に関する強みや口コミなどを解説していきます。
実際にノジマのスタッフが、山手線各駅の速度を調査した結果も記載してますので、どの携帯会社を選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
プラチナバンドとは?
プラチナバンドとは、700MHz~900MHzの周波数帯にある電波の通称です。主に携帯電話やテレビ放送の中継などに使われます。
過去に700MHz帯をテレビ局が使用していましたが、地上デジタルへの完全移行を機に空いたことから、携帯会社に割り当てられました。
1GHzを超える周波数の電波と比較して、「空気中の水分による減衰が少ない」「コンクリート壁を透過しやすい」「回折により障害物を回り込みやすい」などのメリットを持ちます。
そのため、遠い場所やビルの内部に届きやすいだけでなく、基地局と携帯電話の間に障害物があっても回り込むように届きやすいです。
1つの基地局で広範囲をカバーできることから携帯事業者にとっては極めて重要な周波数帯となります。
道路交通関連の無線通信やラジオマイクといった通信にも使われるので、残っている帯域幅は多くありません。
重宝されることから、周波数帯を意味する「band(バンド)」に、希少性の高い「platinum(プラチナ)」を組み合わせた言葉になっているのでしょう。
なお、「プレミアムバンド」や「ゴールデンバンド」と呼ばれることもあるようです。
プラチナバンドが注目される背景
現在、プラチナバンドという言葉があらためて注目されています。話題となっている理由は、2020年4月に携帯市場に本格参入した楽天モバイルにあります。
これまで、ドコモ・KDDI・ソフトバンクに割り当てられており、楽天だけが割り当てられていませんでした。
楽天モバイルによると、「つながりやすさ」について他社よりも不利であり、再割り当てが不可欠とのことでした。
実際に楽天モバイルユーザーからは、携帯の通信状況について少なからず不満の声があがっています。
楽天モバイルつながらないところが多くて困るな~
— ジョガスター (@kaseituka) September 15, 2023
楽天モバイル、相変わらず都心でもつながらない
— im (@5dd_t) August 29, 2023
楽天は、携帯事業が振るわず大赤字が続いており、どうなるか不安を抱いているユーザーも多いでしょう。
しかし2023年10月3日に申請をして、2023年10月23日に割り当てられることが決まりました。
プラチナバンドを利用できるようになれば、楽天モバイルの通信環境が改善され、契約者の拡大につながるかもしれません。
プラチナバンドのメリット・デメリット
ついに、楽天モバイルがプラチナバンドを獲得しましたが、メリットだけでなくデメリットもあります。
話題となっていることから、通信速度が速いように勘違いをしてしまうかもしれませんが、実のところ通信速度は速くありません。
一般的に周波数が高いと送信できるデータが多くなり、通信速度が速くなります。つまり、プラチナバンドよりも周波数が高い非プラチナバンドのほうが通信速度は速いです。
しかし、周波数が高いと直進する性質が強くなり、回り込む性質が弱くなります。その点、プラチナバンドよりも周波数が高い非プラチナバンドは、障害物の影響を受けやすいです。
要するにプラチナバンドは、非プラチナバンドのデメリットを補う役割を果たし、そのおかげで山間部や屋内でも通信をしやすくなります。
携帯電話を選ぶにあたって、プラチナバンドと非プラチナバンドのメリット・デメリットを知っておいて損はないでしょう。
プラチナバンドの注意点
プラチナバンドは一般的に申し込みや設定など不要で利用可能です。
ただし、ドコモ・KDDI・ソフトバンクがプラチナバンドに対応しているからといって、必ずしもユーザーが常にプラチナバンドを利用できるとは限りません。
というのも、プラチナバンドの電波を受信するには、ハードウェア・ソフトウェアともに対応している必要があるからです。
要するに、対応機種以外だとプラチナバンドの電波を受信できません。また、機種によってはLTEがプラチナバンドの周波数帯に対応していても、5Gが対応していないことも珍しくありません。
携帯会社のホームページで、機種ごとに対応している周波数帯が公開されていることがあります。
検討している機種のプラチナバンドの対応状況について、5GやLTEの場合ごとに細かく確認してみましょう。
主要携帯会社の通信のつながりやすさに関する強みと口コミ
話題となっているプラチナバンドは、非プラチナバンドよりも通信のつながりやすさにメリットがあることをお伝えしました。
主要携帯会社はプラチナバンドに対応しているため、通信がつながりやすいことが期待できます。
ただ、通信のつながりやすさについて、各社で違いがあるのか気になる方もいるでしょう。
ここでは、主要携帯会社における通信のつながりやすさについて強みや口コミをまとめてみます!
ドコモ
「令和3年度携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果の概要」によると、ドコモの基地局の数は、auとソフトバンクよりも多い結果であると報告されています。
ドコモは、山間部や田舎、離島などでも、ほかの携帯会社と比較してつながりやすいです。都心から離れたエリアであればドコモを検討しない手はないでしょう。
au
auは、4G LTEで人口カバー率99.9%のサービスエリアを提供しており、全国の地下鉄駅や地下駅間でも4G LTEを利用できるように電波対策を進めています。
また、電波サポート24によって、自宅における電波の改善要望について受け付けており、専用機器の設置で改善してもらえる場合があります。
24時間以内にサポートセンターから連絡してもらえる体制です。専用機器は無料なので、電波が悪いと感じるようであれば一度相談してみるとよいでしょう。
ソフトバンク
イベント開催中は、人の集中によって通信まで混雑しやすいです。ソフトバンクは、全国で開催されるイベントについてエリア対策を実施しています。
イベント会場周辺に移動基地局車を配備したり、「ソフトバンクWi-Fiスポット」を設置したりするなどして、携帯電話を利用しやすいように工夫しています。
いつもつながっていた携帯が突然つながりにくくなる事態も回避しやすいでしょう。
なお、具体的なイベントと対策についてはホームページから確認できます。
イベント期間がわかるので、通信状況も予測しやすいですね。
3キャリアの基地局数を比較
繋がりやすさに直結するのが、基地局の数です。
数が少ないと、電波をキャッチしないので、インターネットに繋がらないなど出てくるので、非常に重要です。
そこで3キャリアの4G/LTE・5Gの基地局の数を比較してみました。
通信規格 | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|
4G/LTE | 259,536 | 196,101 | 171,940 |
5G | 19,716 | 18,041 | 39,051 |
比較してみると、4G/LTEの基地局数はドコモが圧倒的に多いですが、5Gは、SoftBankが圧倒的に多いのが現状です。
基地局数が全てではありませんが、ドコモが繋がりやすいと言われるのも納得です。
ただ、加入者が多いと、回線が混雑して繋がりにくいということも起きるので、基地局数が全てというわけではありませんので、注意しましょう。
つながりやすさに関する口コミ
やっぱりそうだよなぁ。都市部どころか埼玉の片田舎でも電車乗ってるとソフトバンクの方が圧倒的につながりやすい。ドコモなんか朝はネット接続すらできないレベル。auは中間くらい。
— ko (@ko916) March 21, 2023
都心での繋がりやすさと速度はソフバンが1番優れているんだが、旅行先の田舎とか山奥だとドコモが1番つながりやすいというジレンマ
auは知らんけどどうなんだ?
— ?キリス? (@cocoRefresh) April 24, 2023
docomoのほうがつながりやすい気がする
山の中に行ってsoftbankもauも楽天もつながらなかったけどdocomoだけつながった— 周瑜ファン (@___sfan) August 29, 2023
関西地区は京セラのおかげか、au系快適でつながりやすい印象。
昔よりかは良くなったが、ソフトバンクは若干弱いみたい。— こめこめ (@komek95) August 15, 2023
ソフトバンクが都心で一番つながりやすいと感じている方が見受けられました。
山の中でほかの携帯会社がつながらなかったにも関わらず、ドコモだけはつながったという方がいました。旅行先の田舎でもつながりやすいようです。
auはソフトバンクとドコモの間くらいのつながりやすさと評する方もいました。関西地区はつながりやすいようです。
主要携帯会社の都心における通信速度と口コミ
プラチナバンドは、通信のつながりやすい周波数帯でしたが、通信速度が速いわけではないことをお伝えいたしました。
携帯を利用するとき、つながりやすさはとても大切ですが、通信速度が遅いと困りますよね。
携帯電話を選ぶうえで通信速度も比較基準となってくるでしょう。
ここでは、主要携帯会社の都心における通信速度をご紹介するとともに、各社の通信速度に関する口コミをまとめてみます!
なお、通信速度については超高層ビル群の形成で知られる新宿区における各社の計測結果を掲載しました。
ドコモ
2023年2月~3月において、ドコモの通信速度の結果は下記の通りです。なお、携帯端末はXperia 1 IV(SO-51C)です。
計測場所 | 下り平均速度 | 上り平均速度 |
---|---|---|
荒木町付近 | 185Mbps | 29Mbps |
市谷船河原町付近 | 415Mbps | 33Mbps |
市谷本村町付近 | 406Mbps | 16Mbps |
神楽坂1丁目付近 | 334Mbps | 26Mbps |
上落合3丁目付近 | 144Mbps | 23Mbps |
北新宿4丁目付近 | 311Mbps | 10Mbps |
信濃町付近 | 376Mbps | 5Mbps |
下宮比町付近 | 431Mbps | 18Mbps |
新小川町付近 | 139Mbps | 8Mbps |
水道町付近 | 622Mbps | 21Mbps |
高田馬場1丁目付近 | 341Mbps | 15Mbps |
筑土八幡町付近 | 141Mbps | 4Mbps |
西早稲田1丁目付近 | 467Mbps | 18Mbps |
東五軒町付近 | 769Mbps | 79Mbps |
百人町3丁目付近 | 48Mbps | 10Mbps |
舟町付近 | 35Mbps | 3Mbps |
南元町付近 | 147Mbps | 44Mbps |
四谷3丁目付近 | 603Mbps | 20Mbps |
若葉3丁目付近 | 320Mbps | 17Mbps |
若宮町付近 | 215Mbps | 11Mbps |
早稲田鶴巻町付近 | 534Mbps | 36Mbps |
au
2023年2月~3月においてauの通信速度の結果は下記の通りです。なお、携帯端末はGalaxy S22 Ultra(SCG14)です。
計測場所 | 下り平均速度 | 上り平均速度 |
---|---|---|
新宿1丁目 付近 (1) | 319.90Mbps | 41.75Mbps |
新宿1丁目 付近 (2) | 417.58Mbps | 28.62Mbps |
新宿2丁目 付近 (1) | 1135.52Mbps | 106.97Mbps |
新宿2丁目 付近 (2) | 900.36Mbps | 102.92Mbps |
新宿3丁目 付近 | 1667.66Mbps | 175.62Mbps |
参照:実効速度について(au)
ソフトバンク
2023年2月~3月において、ソフトバンクの通信速度の結果は下記の通りです。なお、携帯端末はLEITZ PHONE 2です。
計測場所 | 下り平均速度 | 上り平均速度 |
---|---|---|
北新宿1丁目付近 | 229Mbps | 48Mbps |
西新宿8丁目付近 | 265Mbps | 44Mbps |
北新宿2丁目付近(1) | 435Mbps | 51Mbps |
北新宿2丁目付近(2) | 166Mbps | 19Mbps |
北新宿1丁目付近 | 215Mbps | 44Mbps |
参照:「総務省実効速度調査」計測手法/計測結果(ソフトバンク)
通信速度に関する口コミ
通信速度はauの方が速い。これは昔からそう。ただ、ガラケー時代だと電波認証に時間かかりドコモのiモードの方が速かったのは確か。ただ、iモードは連打しないと繋がらないというのがあって。
もっとも、ドコモを選ぶのはエリアカバーの広さ。山の中とか海の上とか。あとは災害時。…
— らんもり (@RanmoriScythe) August 12, 2023
新幹線の中ってスマホの通信速度めっちゃ遅くならへん?
docomoだけ?
— たかのり (@S_Takan0rl54) October 6, 2023
通信エリアをふまえると一概にはいえませんが、つながりやすさではなく、通信速度を重視するのであれば、au・ソフトバンクを選んだほうがよさそうです。
主要携帯会社の山手線における通信速度
都内で人が集まりやすい場所として、山手線の駅が挙げられます。通学や通勤で利用されている方も多いのではないでしょうか。
そこで、ノジマのスタッフが、午前中の山手線各駅でスマホの通信速度を、さまざまなキャリアで実際に計測してみました!
今回は、iPhone SE3を使い調査しましたが、通信速度は環境やお使いの端末によって異なりますので、あくまで参考程度にしてくださいね!
駅名 | docomo | au | SoftBank | RakutenMobile |
---|---|---|---|---|
東京 | 20Mbps | 250Mbps | 79Mbps | 16Mbps |
神田 | 250Mbps | 670Mbps | 30Mbps | 140Mbps |
秋葉原 | 150Mbps | 450Mbps | 160Mbps | 23Mbps |
御徒町 | 20Mbps | 99Mbps | 160Mbps | 240Mbps |
上野 | 140Mbps | 580Mbps | 230Mbps | 12Mbps |
鶯谷 | 330Mbps | 250Mbps | 170Mbps | 210Mbps |
日暮里 | 170Mbps | 290Mbps | 41Mbps | 64Mbps |
西日暮里 | 19Mbps | 520Mbps | 51Mbps | 26Mbps |
田端 | 4.7Mbps | 66Mbps | 40Mbps | 1.5Mbps |
駒込 | 18Mbps | 220Mbps | 110Mbps | 49Mbps |
巣鴨 | 43Mbps | 620Mbps | 140Mbps | 11Mbps |
大塚 | 49Mbps | 180Mbps | 250Mbps | 15Mbps |
池袋 | 12Mbps | 22Mbps | 37Mbps | 780Kbps |
目白 | 120Mbps | 340Mbps | 110Mbps | 13Mbps |
高田馬場 | 83Mbps | 200Mbps | 42Mbps | 930Kbps |
新大久保 | 140Mbps | 74Mbps | 42Mbps | 42Mbps |
新宿 | 12Mbps | 350Mbps | 69Mbps | 9.4Mbps |
代々木 | 14Mbps | 53Mbps | 49Mbps | 17Mbps |
原宿 | 150Mbps | 78Mbps | 67Mbps | 23Mbps |
渋谷 | 5.0Mbps | 37Mbps | 3.6Mbps | 640Kbps |
恵比寿 | 8.9Mbps | 560Mbps | 140Mbps | 17Mbps |
目黒 | 39Mbps | 260Mbps | 2.9Mbps | 220Kbps |
五反田 | 120Mbps | 140Mbps | 63Mbps | 1.3Mbps |
大崎 | 860Kbps | 6.4Mbps | 6.7Mbps | 170Kbps |
品川 | 14Mbps | 55Mbps | 15Mbps | 11Mbps |
高輪ゲートウェイ | 190Mbps | 160Mbps | 80Mbps | 3.7Mbps |
田町 | 19Mbps | 190Mbps | 51Mbps | 89Kbps |
浜松町 | 9.6Mbps | 750Mbps | 39Mbps | 16Mbps |
新橋 | 130Mbps | 87Mbps | 110Mbps | 9.6Mbps |
有楽町 | 76Mbps | 450Mbps | 28Mbps | 460Mbps |
平均速度 | 約79Mbps | 約267Mbps | 約81Mbps | 約49Mbps |
調査した結果では、auが一番速く平均約267Mbps、続いてSoftBank平均約81Mbps、ドコモ平均約79Mbps、RakutenMobile平均約49Mbpsの順でした。
auがダントツで速く、一番速かった駅は浜松町の750Mbpsです。
時間帯や混雑具合、使用している端末など、環境によって異なりますが、山手線沿いに住んでいる方はぜひこの調査を参考にキャリアを選んでみてくださいね。
動画でもご覧いただけます!
携帯会社の選び方に迷ったらノジマに相談!
今回は、プラチナバンドの概要をはじめ、注目される背景やメリット・デメリットなどについて解説しました。
プラチナバンドは700MHz~900MHzの周波数帯にある電波の通称です。
「空気中の水分による減衰が少ない」「コンクリート壁を透過しやすい」「回折により障害物を回り込みやすい」などのメリットがありました。
楽天モバイルも2023年10月23日にプラチナバンド認定されたので今後の動向に注目です。
プラチナバンドによる通信はつながりやすいですが、通信速度が速いわけではありません。
つまり、主要携帯会社がプラチナバンドを確保していても安心できないということです。携帯会社を選ぶときには通信速度もよく比較しましょう。
今回ご紹介した通信速度のデータもぜひ参考にしてみてください。
ノジマでは、ドコモ・au・ソフトバンクなど全てのキャリアの料金プランをご案内できます。携帯電話でお悩みの方は、ぜひお近くのノジマ店舗へお越しください!
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