【新発表】Wi-Fi 6E対応ルーターとは?NECの担当者に特徴をインタビュー!
更新日時 : 2022-10-03 19:11
近年、ノートパソコンやスマホなどで「Wi-Fi 6E」という名称を目にする機会が増えてきました。従来の「Wi-Fi 6」とどういった違いがあるのか、分からない方は多いのではないでしょうか。
2022年9月2日(金曜日)、総務省により6GHz帯の無線LANであるWi-Fi 6Eが認可されました。
ご家庭でも超高速で安定して、遅延の少ない無線LANがご利用いただけるようになりました。
そこで今回は、Wi-Fi 6Eとはどういう規格なのか解説します。すでに普及しているWi-Fi 6や、次世代通信規格Wi-Fi 7との違いなども解説するので、気になっている方はぜひチェックしてみてください。
Wi-Fi6Eとは?1分で解説!
目次
Wi-Fi 6E対応ルーターとは?
Wi-Fi 6E対応ルーターとは、Wi-Fi 6の拡張版にあたる無線LAN規格に対応したルーターです。Wi-Fi 6Eの末尾にあるEは、拡張の意味を持つ「Extended」を表しています。
無線LAN規格の正式名称は「IEEE 802.11〇〇」という形で表記されます。しかし、2009年に登場した「IEEE 802.11n」以降は、新しい規格と古い規格をわかりやすくするために「Wi-Fi 〇」のように表記されるようになりました。
トライバンドとは、同じ通信方式の3つの異なる周波数帯による通信に対応している高速通信を指します。デュアルバンドとは同じ通信方式の2つの異なる周波数帯による通信に対応している高速通信を指します。
歴代の無線LAN規格をまとめた表は以下の通りです。
名称 | 無線LAN規格 | 最大速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz/6GHz |
Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz |
Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
– | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
– | IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
– | IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
– | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz |
Wi-Fi 6E対応ルーターは、Wi-Fi 6と同じ「IEEE 802.11ax」規格を採用していますが、従来の規格にはなかった6GHz帯の周波数に対応しています。
2020年にリリースされているWi-Fi 6Eですが、日本では2022年9月2日認可が下りました。これから日本国内向けのWi-Fi 6E対応ルーターがリリースされていきます。
なぜ6GHz帯の周波数を拡張するのか?
Wi-Fi 6E最大の特徴は6GHz帯の周波数が使えるところです。
従来の規格で使われている2.4GHz帯と5GHz帯だけでは、電波干渉や混雑により通信速度が出にくい状況にありましたが、新たに6GHz帯を拡張することで改善を図っています。使える周波数帯が増えるとそういった問題が解消され、安定して高速な通信が可能になります。
今後、IoTデバイスなどの普及により大容量通信が求められてくるため、高速通信が期待できるWi-Fi 6Eは不可欠になってくるでしょう。
Wi-Fi 6EとWi-Fi 6の違いは?
Wi-Fi 6EとWi-Fi 6の違いは、6GHz帯の周波数に対応しているかどうかです。Wi-Fi 6の拡張版にあたるので、IEEE規格や最大速度などの基本的な仕組みは変わりません。
名称 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
---|---|---|
無線LAN規格 | IEEE 802.11ax | |
最大速度 | 9.6Gbps | |
周波数帯 | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 2.4GHz/5GHz |
Wi-Fi 6Eは2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の3つに対応しているため、使える周波数が多く、データを送受信するときに電波干渉や混雑などで通信速度が低下しにくいです。最大速度は9.6Gbpsで同じでも、Wi-Fi 6よりも高速で安定した通信が期待できます。
なお、既存のWi-Fi 6対応ルーターでは、Wi-Fi 6Eの通信は利用できないので注意しましょう。
Wi-Fi 6Eのメリットは?
Wi-Fi 6Eは、新たに6GHz帯の周波数を拡張したことで、以下のようなメリットが得られています。
- 混雑しにくい
- 通信速度が速い
- 遅延が少ない
3つのメリットについて詳しく解説していきます。
混雑しにくい
Wi-Fiにはデータの送受信を行う周波数を指定する機能「チャンネル」があります。チャンネルは周波数帯を分割することで、電波の干渉を抑える役割を持ちます。
6GHz帯に対応したWi-Fi 6Eは、2.4GHz帯や5GHz帯よりも利用できる周波数帯域が広く、割り当てられるチャンネルの数が多いです。
チャンネル数が多くなると混雑を回避できるようになるため、電波の干渉しにくくなり、多くの機器をWi-Fi接続しても通信速度が安定します。
通信速度が速い
Wi-Fiの通信速度は、分割するチャンネルの幅が広くなると通信速度が安定し、高速になります。
現在、最も広いチャンネル幅は160MHzです。つまり、160MHz幅のチャンネルを多く割り当てられるほど、複数の機器でも高速通信が利用できるようになります。
Wi-Fiで使われている、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯の周波数は以下の通りです。
- 2.4GHz帯:2,412MHz~2,484MHz
- 5GHz帯:5,150MHz~5,725MHz
- 6GHz帯:5,925MHz~6,425MHz
2.4GHz帯に関しては周波数が足りないため160MHz幅のチャンネルを割り当てられませんが、5GHz帯なら2つ割り当てられます。日本で新たに拡張された6GHz帯では、160MHz幅のチャンネルを3つ利用可能です。
そのため、従来の規格よりも高速な通信が期待できます。
遅延が少ない
Wi-Fi 6Eは使える周波数帯を広げることによって、低遅延通信を実現しています。大容量のデータ送受信を少ない遅延で行えるため、オンラインゲームやVR映像などを快適に楽しめるでしょう。
Wi-Fi 6Eの日本認可が下りたのはいつ?
アメリカなどの一部の国ではWi-Fi 6Eの提供が開始されていますが、日本では6GHz帯の認可が下りていなかったため、Wi-Fi 6Eの利用はできませんでした。
現時点では、寺田稔総務大臣が、「電波法施行規則」「無線設備規則」「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」を一部改正する総務省令を2022年9月2日(金曜日)に公布し、即日施行しました。
今回公布と施行が同時にされた総務省令は、日本国内における「6GHz帯の無線LAN」の利用を可能にしました。
また、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のトライバンドに対応した日本製Wi-Fi 6Eルーターが、2022年9月5日(月曜日)にNECから新製品2機種が発表されました。
発売日は2022年9月15日(木曜日)です。
Wi-Fi 6Eの対応機器は?
Wi-Fi 6Eの通信を利用するためには、Wi-Fi 6Eに対応した機器が必要です。また対応機種でもデバイスドライバーやファームウェアの更新が必要になる場合もあるので、将来的にWi-Fi 6Eを利用したい方は事前にチェックしておきましょう。
スマホの対応機種
日本国内で販売されているWi-Fi 6E対応スマホには、以下のような機種があります。
メーカー | メーカーの国 | 機種名 |
---|---|---|
|
韓国 |
Galaxy S21 Ultra |
|
アメリカ |
Google Pixel 6 |
Google Pixel 6 Pro | ||
|
台湾 |
ROG Phone 5 |
ROG Phone 5 Ultimate | ||
|
アメリカ |
motorola edge 30 pro |
motorola edge 20 |
※2022年9月時点
今のところWi-Fi 6E対応スマホはラインナップが少ないですが、海外メーカーが徐々に展開し始めています。
ノートパソコンの対応機種
ノートパソコンにもWi-Fi 6Eに標準対応した機種がありますが、別途用意したWi-Fi 6E対応の無線LANカードを装着して使えるようにすることができます。
主なWi-Fi 6E対応無線LANカードはこちら。
- Intel Wi-Fi 6E AX210
- Intel Wi-Fi 6E AX211
- Intel Wi-Fi 6E AX411
すでに使っているノートパソコンでWi-Fi 6Eを使いたい場合はチェックしてみてください。
次世代規格Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)とWi-Fi 6Eの違いは?
Wi-Fi 6Eの次にリリースされる無線LAN規格に「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」があります。現在、Wi-Fi 7は策定中の段階ですが、2024年に以下のような規格としてリリースされる見込みです。
名称 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
---|---|---|
無線LAN規格 | IEEE 802.11ax | IEEE 802.11be |
最大速度 | 9.6Gbps | 30Gbps |
周波数帯 | 2.4GHz/5GHz/6GHz |
最大速度はWi-Fi 6Eの3倍以上になることが予定されており、従来の無線LAN規格よりも高速な通信が期待できます。
周波数帯に関してはWi-Fi 6Eと同じトライバンドに対応しています。そのため、Wi-Fi 7の利用にはWi-Fi 6Eの実用化が不可欠です。
Wi-Fi 6Eに対応したNECの新製品を紹介!
メーカーの国:日本
PA-WX11000T12
転送速度 | IEEE 802.11ax/11ac/11n/11a/11g/11b |
---|---|
周波数帯域 | 6GHz、5GHz、2.4GHz |
アンテナ | 4×4(6GHz)+4×4(5GHz)+4×4(2.4GHz) |
アンテナの本数 | 12ストリーム |
正面
側面
背面
Wi-Fi 6E採用によるトライバンド化でさらなる安定通信!
- 5GHz+2.4GHzに6GHzも加わり3つの帯域(バンド)利用が可能
- 帯域(バンド)を使い分けることで混雑の少ない安定通信が可能
「メッシュ中継機能」で複数端末接続時に抜群の安定通信!
- 接続先の自動切替でシームレスな安定通信を実現
- メッシュネットワーク構成の見える化やボタン操作だけの簡単登録で安心
10G回線サービスを十分に活かし高速通信!
- 10Gbpsの有線ポートをWLAN×1、LAN×1搭載で10G回線サービスの高速性を活かす
高速インターネット接続方式「IPv6」で高速通信!
- IPv6の速度低下の少ない回線利用で高速通信「IPv6(IPoE&IPv4 over IP6)」「DHCPv6-PD」
- 最新VNE対応となりサービスも充実
強固なセキュリティ技術搭載とサービスを提供!
- アプリを使った遠隔操作で、自宅のWi-Fi接続状態を確認「ホームネットワークリンク」に対応
- 「トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ」の最大90日間無料版採用
- プライベートとビジネス&スクール利用のネットワークを分離「リモートワークWi-Fi」搭載
PA-WX7800T8
転送速度 | IEEE 802.11ax/11ac/11n/11a/11g/11b |
---|---|
周波数帯域 | 6GHz、5GHz、2.4GHz |
アンテナ | 2×2(6GHz)+4×4(5GHz)+2×2(2.4GHz) |
アンテナの本数 | 8ストリーム |
正面
側面
背面
Wi-Fi 6E採用によるトライバンド化でさらなる安定通信!
- 5GHz+2.4GHzに6GHzも加わり3つの帯域(バンド)利用が可能
- 帯域(バンド)を使い分けることで混雑の少ない安定通信が可能
「メッシュ中継機能」で複数端末接続時に抜群の安定通信!
- 接続先の自動切替でシームレスな安定通信を実現
- メッシュネットワーク構成の見える化やボタン操作だけの簡単登録で安心
高速インターネット接続方式「IPv6」で高速通信!
- IPv6の速度低下の少ない回線利用で高速通信「IPv6(IPoE&IPv4 over IP6)」「DHCPv6-PD」
- 最新VNE対応となりサービスも充実
強固なセキュリティ技術搭載とサービスを提供!
- アプリを使った遠隔操作で、自宅のWi-Fi接続状態を確認「ホームネットワークリンク」に対応
- 「トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ」の最大90日間無料版採用
- プライベートとビジネス&スクール利用のネットワークを分離「リモートワークWi-Fi」搭載
NEC(NECプラットフォームズ株式会社)の担当者にWi-Fi 6Eの特徴をインタビューしました!
インタビューを受けていただいた方
NECプラットフォームズ(株)
アクセスソリューション事業部 ビジネス推進第一グループ
杉浦 順一さん
インタビュー内容
今回の新製品の進化点について教えてください。
Wi-Fi 6E対応により6GHz帯も使えるのでWi-Fi 6Eに対応したデバイスでは混雑や遅延の少ない高速通信が可能です。
また、既存の2.4GHz帯と5GHz帯に加え6GHz帯の3つの帯域が利用可能なトライバンドに対応しており、帯域を使い分けることで混雑の少ない安定通信が可能です。
さらに、10GBASE-Tポート搭載(WX11000T12のみ)により、10G回線サービスを存分に活かせます。
NECプラットフォームズ(株)
杉浦さん
今回の新製品をどのような方に使っていただきたいですか。
リモートワークやリモート学習など日常生活となったWi-Fi利用に加えて、最近注目されているARやVR、メタバース、ゲーミング、8Kストリーミングなど、多数台のデバイスを接続しながらも、高速で混雑・遅延の少ない高品質な通信を求める方にお勧めです。
また、メッシュ中継時のバックホールとして6GHz帯を利用することで、高速で安定したメッシュネットワークの構築も可能です。
NECプラットフォームズ(株)
杉浦さん
今回の新製品のNEC独自のセールスポイントを教えてください。
Wi-Fi 6Eモデルとして、12ストリームのWX11000T12と8ストリームのWX7800T8の2モデルをご用意しております。6GHz帯のストリーム数の違いがありますので、接続するデバイスに合わせてお選び頂けます。
また、メッシュ中継機能を搭載しておりますが、WX11000T12とWX7800T8を組み合わせて使うこともできますので、用途に応じてお選び頂けます。
NECプラットフォームズ(株)
杉浦さん
Wi-Fi 6Eはどのように生活に豊かになると思いますか。
Wi-Fiデバイスが増加している中、ホームネットワークにおいても通信品質の向上やトラフィック抑制が非常に重要になっています。
Wi-Fi 6Eによる安定したネットワーク環境により、ARやVR、メタバース、ゲーミング、8Kストリーミングなどをストレスなく快適に体感頂くことで新しい価値を創造できると思います。
NECプラットフォームズ(株)
杉浦さん
Wi-Fi7が登場されると言われている2024年まで待つ必要がない理由を教えてください。
Wi-Fi 7は次世代の規格のため、高速・安定・低遅延の面ではさらなる進化が期待できますが、Wi-Fi 6EはWi-Fi 7と同じ6GHz帯域を使用しており、安定・低遅延の面では大きなメリットがあります。
また、2024年までの間で対応デバイスの増加も見込まれているため、まずはWi-Fi 6Eをお使い頂き、その後、Wi-Fi 7の状況を見ながら切り替えて頂くことをお勧めいたします。
NECプラットフォームズ(株)
杉浦さん
NECの新製品の見本を特別に撮影させていただきました!
※横から撮影した写真
※上から撮影した写真
杉浦さん、ご回答ありがとうございました。
こちらの新製品は、ノジマでお取り扱いさせていただきます。
【公式】Atermシリーズ(NECプラットフォームズ)様よりTwitterで紹介していただきました。
/https://t.co/NjWLiDp1S1 家電小ネタ帳
Wi-Fi 6E のページが公開されました!
\#wifi6e が動画やイラストで
わかりやすく解説されています♪#Aterm 担当者のインタビューも掲載されてます
ぜひご覧ください!https://t.co/xfpM3F8Vdo— 【公式】Atermシリーズ(NECプラットフォームズ) (@NEC_Aterm) October 3, 2022
Wi-Fi 6Eのご相談はノジマまで!
今回は、無線LAN規格Wi-Fi 6Eの特徴や、従来規格Wi-Fi 6との違いなどを解説しました。
Wi-Fi 6EはWi-Fi 6をベースに、6GHz帯の周波数を拡張させた規格です。最大速度などの基本的な仕組みは同じですが、通信品質は大きく向上しています。Wi-Fi 6Eなら電波干渉や混雑に影響されにくいため、高速で安定した通信接続が可能です。Wi-Fi 6の性能を最大限に引き出せるのが、拡張版にあたるWi-Fi 6Eといえるでしょう。
Wi-Fi 6Eの高速通信を利用するためには、トライバンド対応ルーターとWi-Fi接続機器が必要です。対応ルーターはNECが2022年9月15日(木曜日)に発売しています。ノジマでもお取り扱いございます。
Wi-Fi接続機器に関しては、Wi-Fi 6Eに対応したスマホやノートパソコンが増えてきているので、Wi-Fi 6Eを使う予定がある方はチェックしておくといいでしょう。
もし、Wi-Fi 6Eの無線LANルーターの選び方がわからない場合は、お近くのノジマまでご相談ください。
メーカー販売員ではないノジマのスタッフがお客様に最適なご案内をさせていただきます。
ご来店された方には気持ちよく、安心してご利用いただけるように、従業員も検温や消毒など感染対策を徹底しておりますので、ぜひお近くのお店へお立ち寄りください。
\ 店舗の検索はこちら /
※こちらの記事は2022年9月時点の内容です。
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