SSDとは?HDDやUSBメモリの違い、容量や種類などおすすめの選び方
更新日時 : 2022-09-19 19:09
PCに搭載すると、速度が速くなると評判のSSD。実際、OSをSSDに保管しておけば、起動が高速になり、快適な使用が可能になります。
この記事では、SSDとは何かを、HDDと比較しながら分かりやすく解説していきます。
容量や速度、寿命の違い、消費電力の違い、SSDとHDDのそれぞれのメリット・デメリット、両者の使い分け等についても解説するので、この記事を読めばPCを快適に利用する方法、大容量のデータを安価に保管する方法が分かります。
1分で解説!選び方動画
SSDとは?
SSDとは、Solid State Drive(ソリッド・ステート・ドライブ)の略で、HDDと同じくPCの記憶装置となる機器の名称です。
SSDはUSBメモリーと同じく、内蔵しているメモリーチップにデータの読み書きを行う仕様になっています。そのため、データの読み書きに機械的な待ち時間が発生するHDDと比べ、データの読み書きが高速なのがSSDの最大の特徴です。
特に、OSの起動になるとHDDとの差が顕著で、SSDでは1分程度でPCの起動が完了します。内蔵ストレージをSSDに変更すれば、HDDとの差をはっきりと感じることがでるレベルです。
HDDとは?
HDDは、Hard Disk Drive(ハード・ディスク・ドライブ)の略。PCの記憶装置であり、HDD内に搭載されたプラッタと呼ばれる磁性体が塗られた円盤を使い、磁気ヘッドで書き込み・読み出しをする仕組みになっています。
HDDのメリットは、SSDに比べて容量当たりの単価が低く、大容量のデータを安価に保存できることです。
SSD登場によりHDDは古いタイプの機器になりました。しかし、HDDのメリットが無くなったわけでなく、用途によってはHDDの方が向く場面も、いまだあります。
SSD・HDDともに内蔵・外付けタイプがある
SSDはHDDと同じように、内蔵ストレージ・外付けストレージとして利用できます。
内蔵SSDは名前の通り、PC内部にSSDを設置して使用するタイプ。外付けSSDはUSBなどでPCに接続し、PC筐体の外に機器を設置して使用するタイプです。
内蔵SSDの場合、使用するにはこれまで使っていたHDDもしくは容量の少ないSSDから交換する必要があります。PCの筐体を空けて作業する必要があり、規格にあった製品を選ばない使用できないので、注意が必要です。
外付けSSDの場合、接続はUSBケーブルなどを使うので、設置は難しくありません。また、外付けSSDの場合、USBメモリと同じように使える、USBメモリ型SSDもあります。
内蔵と外付けは併用することができるので、内蔵ストレージには起動の早いSSDを使い、外付けストレージとして大容量のHDDを追加する、という使用方も可能です
USBメモリ型SSDとUSBメモリとの違い
同じく記憶装置であり、USBメモリと見た目がそっくりなUSBメモリ型SSDもあることから、両者の違いが良く分からないケースもあるかもしれません。ですが、USBメモリとUSBメモリ型SSDには違いがあります。
USBメモリ・USBメモリ型SSDともに、NAND(ナンド)型フラッシュメモリ※を使ってデータを保存するという点は同じです。しかし、基本的にUSBメモリよりもSSDの方がデータの処理速度は各段に速いです。また、容量もUSBメモリ型SSDの方が大きく、USBメモリ型SSDの中には500GBや1TB(1000GB)といった製品もあります。
OSからの認識のされ方という点でも、SSDとUSBメモリでは異なります。SSDはWindows上からローカルディスクとして認識され、USBメモリはリムーバブルディスクとして認識されるという点でも、SSDとUSBメモリは異なっています。
※スマホやメモリーカードなど、様々な製品に使用されている大容量記憶装置のこと
SSDとHDDを比較
HDDと比較した際のSSDのメリット・デメリットをまとめると、下記のようになります。
- 読み書きの速度が速い
- 衝撃に強い
- 消費電力が低い
- 動作音が静か
- サイズが小さい・軽い
- 寿命が長い
- 容量当たりの価格が高い
- 大容量の製品が少ない
SSDとHDDの比較表
SSD |
HDD |
|
読み書きの速度 | ◎ | △ |
---|---|---|
衝撃への強さ | 〇 | △ |
消費電力の低さ | 〇 | △ |
動作音の静かさ | 〇 | △ |
サイズの小ささ | 〇 | △ |
寿命 | 〇 | △ |
容量当たりの価格 | △ | ○ |
容量 | △ | ○ |
SSDはHDDに比べて速度が速い
SSDはHDDに比べると読み書きの速度が高速です。
SSDが速い理由は、機械的な待ち時間が存在しないのが理由。HDDはプラッタと呼ばれるは磁性体を塗布(とふ)もしくは蒸着(じょうちゃく)した金属ディスクを高速で回転させ、磁気ヘッドを近づけて磁性体を磁化させデータの読み書きを行います。そのため、HDDではデータの読み書きに機械的な待ち時間が発生してしまうのです。
しかし、SSDは内蔵のメモリーチップに読み書きを行うので、上記の処理が必要なく、機械的な待ち時間なしにデータの読み書きが行えます。その為、SSDの速度はHDDに比べて高速になります。
イメージとしてはHDDはCDやDVDで、SSDはSDカードやUSBメモリです。CDやDVDは利用する際にディスクが回る分少し時間がかかるのに対して、SDカードやUSBメモリはすぐに読み込まれると思います。つまりSSDの方が快適に利用できますよ。
SSDはHDDに比べて耐久性が高い
SSDはHDDに比べて物理的な耐久性で勝ります。
HDDはプラッタ(ディスク)を回転させてデータを読み書きするという仕様上、物理的な衝撃に弱く、強い衝撃が加わると故障のリスクが高いです。回転中のプラッタ(ディスク)とヘッドが接触するとデータ消失やPCの動作不良の原因にもなります。
SSDの場合、データの読み書きはメモリーチップに行うので、多少の衝撃があっても、稼働に問題が起こりません。
SSDはHDDに比べて消費電力が小さい
SSDの消費電力は、HDDに比べると小さいです。
HDDはプラッタ(ディスク)の回転にモーターを使うので、その動作のエネルギー源に電力が必要になります。しかし、メモリーチップにデータを書き込むSSDにモーターは必要ないので、その分消費電力が少なくすみます。
当然消費電力が高いHDDは電気代も高くなるので、電気料金はSSDの方がお得になります。
電気代もですが、ノートパソコンなどに利用する場合SSDは省エネですので、バッテリーを消費しにくいといったメリットもありますよ。
SSDはHDDに比べて動作音が静か
SSDはHDDに比べ、動作音が静かです。
HDDはプラッタ(ディスク)の回転時にモーターで稼働させるので、音が発生します。また、モーターの回転時は音と同時に振動も発生してしまうので、大量のデータを扱う場合、HDDでは音や振動が気になる場面が多いです。
しかし、メモリーチップへの書き込みで音は発生しないので、SSDはHDDに比べて静かに利用できます。
SSDはHDDに比べてサイズが小さい
SSDはHDDに比べると小さく・軽いです。
プラッタ(ディスク)やモーターが必要無いため、SSDは機器を大きくする必要がないのです。外付けSSDにはUSBメモリと同程度の大きさのものもあるので、データを持ち歩きたい場合は衝撃に強く、コンパクトなSSDの方が適しています。
SSDはHDDに比べて寿命が長い
製品や状況よっても大きく異なるのですが、一般的にSSDの寿命は5年以上、HDDの寿命は3年~4年程度と言われています。
繰り返し述べているように、SSDにはモーターのような駆動部分が無いので、機器の摩耗がなく、その分寿命が長くなるのです。
SSDにも書き込み回数という寿命はあるのですが、毎日大容量のデータを書きむのでもない限り、劣化は起きません。寿命の長さという点でも、SSDの方が優れています。
SSDはHDDに比べて容量当たりの単価が高い
SSDのデメリットとして、HDDに比べると容量当たりの単価が高い、という点があります。
製品によっても異なりますが、大体10,000円前後の価格帯で、HDDなら2~4TB、SSDなら500GB(0.5TB)ぐらいが容量の目安になります。
大容量のデータを保存したい場合、それを全てSSDに保存しようとすると、コストが高くなってしまいます。
SSDはHDDに比べて大容量の選択肢が狭い
HDDには2TBや4TBといった製品も多いですが、SSDでは1TBを超える製品がまだ少ないです。
また、先述したように、SSDは容量当たりの価格も高いので、大容量の保存を考えるなら、HDDの利用を検討した方が支出を抑えることができます。
SSDとHDDの使い分けでより快適
SSDとHDDは併用が可能です。
PCの起動を早くするために内蔵ストレージはSSD にし、動画やゲームなど容量の大きいデータは外付けHDDに保存。こうすることで速度が速いというSSDのメリットを生かしつつ、HDDに大量のデータを安価に保管することもできます。
SSD・HDD双方にメリット・デメリットがあるので、用途に合わせてうまく組み合わせて使用できれば、高いコストパフォーマンスを得られます。
例えば、長く録りためたいテレビの録画用は容量が大きく安いHDDに、高速で処理したいパソコンにはSSDにといった使い分けがおすすめです!
SSDの選び方
SSDには種類があり、サイズやインターフェイスなどの規格がそれぞれ異なります。
使いたいPCとSSDの規格があっていないと接続自体ができないので、まずはPCとSSDの規格を確認しておきましょう。
SSDのサイズには、下記の規格があります。
- 1.8インチ
- 2.5インチ
- mSATA
- M.2
おすすめは転送速度の速さと、サイズのコンパクトさから「M.2」です。
さらに「M.2」規格の中でも「NVMe接続」と呼ばれる種類だと、SSDの中でもより高速なデータの読み書きができるのでおすすめですよ。
しかし、パソコン側とSSD側の接続インターフェイスが異なると、せっかく買ったSSDが接続できなかったり、本来の性能を発揮できなかったりする場合があります。
SSDの規格やインターフェイスはやや複雑なため、利用できるか心配な方は、ぜひデジタル専門店ノジマでご相談ください。
SSDの規格を確認したら、次は目的にあった容量を選択します。SSDは容量が大きいほど価格も高くなるので、必要な容量を適切に選ぶことで、無駄な出費を抑えることができます。
用途別のSSDの目安容量
SSDのおすすめ容量 | 保存するデータの種類・用途 |
---|---|
128GB |
|
250GB |
|
500GB |
|
1TB(1,000GB) |
|
動画や画像、ゲームなど容量の大きいデータをPCに保存しない。そんな方なら128GBのSSDでも十分な可能性が高いといえます。
ただし、SSDを内蔵ストレージにする場合、OSやオフィス製品で40から50GBは使ってしまうので、自由に使える容量は70から80GBしか残りません。
128GBのSSDで満足できるのは、PCで動画や画像を全く保存しないという利用の方ではないと難しいでしょう。
ある程度動画や写真を保存する余裕が欲しい、こういったケースなら250GBのSSDがおすすめです。
また、PCにソフトをインストールする場合は、容量に余裕がないと正常に動作しない場合があります。
ソフト以外にも、ゲームをダウンロードしてプレイするなら一つのタイトルで100GB使ってしまうケースもあります。
PCソフトやゲームを利用する方は、SSDの容量は500GBあると安心といえるでしょう。
Adobe製品などで動画編集を行う方なら、容量が1TBあると、PCの利用に余裕が持てます。
動画や画像なら外付けHDDに保存することも可能なので、この点も考えて、SSDの容量を決定しましょう。
まとめ
SSDはHDDに比べ、読み書きの速度が速いのが魅力です。耐久性や消費電力にも優れるので、高速でデータの読み書きを行いたい方に、SSDがおすすめです。
ただし、SSDはHDDに比べて容量あたりの価格が高いので、大容量のデータを保存したい方は、SSDとHDDを併用するのがおすすめです。
起動をSSDに、ゲームやアプリ、動画をHDDに保存とすれば、快適かつコストを抑えてPCを利用できます。
SSDの事はデジタル専門店ノジマにご相談ください。
ノジマにはメーカー派遣の販売員はいません。
SSDのさまざまなメーカーから、忖度なしにお客様一人ひとりの使い方に合わせてピッタリの製品をご紹介させていただきます。
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