マイクロSDカードの種類は?価格の違いは何?おすすめ選び方を解説
更新日時 : 2023-10-20 18:41
スマホやニンテンドースイッチなどにデータを保存するために、microSD(マイクロエスディー)カードの利用を検討している方も多いでしょう。
microSDカードを快適に利用するには、容量だけでなくさまざまな性能に着目して選ぶ必要があります。性能が高すぎる製品を選ぶと、無駄な費用が発生するので注意が必要です。
今回は、microSDカードの容量や転送速度に関する規格の種類をおさらいしつつ、選ぶときの基準や使い方別の価格などを解説していきます。microSDカードの選び方に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
1分でわかる選び方解説!
目次
microSDカードの容量の種類
microSDカードとは、小型機器のデータを保存できるメモリーカードです。スマホやニンテンドースイッチなどに挿入して利用できます。
microSDカードとSDカードの主な違いはサイズです。
microSDカードのサイズは幅11mm×長さ15mm×厚さ1mmであり、SDカードの約4分の1の大きさとなっています。
microSDカードには容量で分けられた規格の種類があります。microSD、microSDHC(エイチシー)、microSDXC(エックスシー)です。それぞれの規格の種類を簡単にご紹介していきます。
microSD
microSDは最もデータを保存できる容量が少ない規格です。データを保存できる容量は2GBまでです。microSDはmicroSD対応機器だけでなく、microSDXC対応機器とmicroSDHC対応機器でも利用できます。
microSDHC
microSDHCは、FAT(File Allocation Table)32(ファットサンジュウニ)というファイルシステムを採用し、microSDを大容量化した規格です。データを保存できる容量は4GB~32GBです。
microSDHC対応機器はmicroSDの上位互換です。ただし、microSDだけに対応している機器にはmicroSDHCは対応していません。
microSDXC
microSDXCは、exFAT(イーエックスファット)というファイルシステムを採用し、microSDHCを大容量化した規格です。
データを保存できる容量は64GB~2TBです。読み書き速度が高速化されている点に特徴があります。
microSDXC対応機器はmicroSDHCの上位互換です。ただし、microSDHC対応機器だと、そのままmicroSDXCを利用できません。
【容量の比較表】
種類 | ファイル システム |
容量 |
---|---|---|
microSD |
128MB~2GB | |
microSDHC |
FAT32 | 4GB~32GB |
microSDXC |
exFAT | 64GB~2TB |
【互換性の比較表】
対応デバイス | 使用できる SDカード |
---|---|
microSD |
microSD |
microSDHC |
microSD microSDHC |
microSDXC |
microSD microSDHC microSDXC |
microSDカードのスピードクラスの種類
microSDカードはデータの書込速度によって使い心地が変わってきます。写真を連続で撮影するとき、書込速度の速いほうが同じ時間でたくさんの写真を保存可能です。
microSDカードは、最低書込速度がわかるように、目安となる3つのクラスが用意されています。
具体的なクラスは、SDスピードクラスとUHSスピードクラス、ビデオスピードクラスです。microSDカードにストレスなくデータを記録するには、使用機器で求められるクラスと同等、あるいは同等以上のカードを選ぶ必要があります。
それぞれのクラスについて解説していきます。
SDスピードクラス
SDスピードクラスは「C」の記号によって表示される4種類の規格です。最低書込速度は下記の通りです。
規格 | 最低書込速度 |
---|---|
C2(クラス2) |
2MB/秒 |
C4(クラス4) |
4MB/秒 |
C6(クラス6) |
6MB/秒 |
C10(クラス10) |
10MB/秒 |
最新機器ほど高速のスピードクラスが求められており、現在はほとんどの機器で最低でもC10の規格が必要となっています。
UHSスピードクラス
UHS(Ultra-High Speed)スピードクラスは、「U」の記号で表示される2種類の規格です。最低書込速度は下記の通りです。
規格 | 最低書込速度 |
---|---|
U1 |
10MB/秒 |
U3 |
30MB/秒 |
U1よりもU3のほうが最低書込速度が速く、4K映像を記録するのであればU3を選択したほうがよいといわれています。
UHSインターフェース
また、最大書込速度に関してはI II IIIの記号によって3種類の規格に分けられています。
規格 | 最高書込速度 |
---|---|
UHS-I (Ultra High Speed Phase I) |
104MB/秒 |
UHS-II (Ultra High Speed Phase II) |
312MB/秒 |
UHS-III (Ultra High Speed Phase III) |
624MB/秒 |
たとえば、624MBの動画を記録するとしましょう。書込にかかる時間はそれぞれ、UHS-Iが6秒、UHS-IIが3秒、UHS-IIIが1秒になります。
UHS-Iは3種類の中でも最も普及している規格です。高速バスインターフェースが採用されており、最高104MB/sの転送能力があります。C10よりも連写したデータをスムーズに記録可能です。
ビデオスピードクラス
ビデオスピードクラスは、「V」の記号で表示される5種類の規格です。最低書込速度は下記の通りです。
規格 | 最低書込速度 |
---|---|
V6 |
6MB |
V10 |
10MB |
V30 |
30MB |
V60 |
60MB |
V90 |
90MB |
ビデオスピードクラスは、360°撮影やVRコンテンツ、4K、8Kなどの録画に適した規格です。動画撮影には書込速度のばらつきが少ないV30以上がおすすめできます。
これだけは押さえよう! microSDカードの選び方の基準
microSDカードの種類は意外と複雑であり、選び方に迷ってしまった方もいるかもしれません。microSDカードを選ぶときに、これだけは押さえてほしい基準を解説していきます!
スイッチ用は動画でも解説しています!
基準1.容量
microSDカードは端末の使い方によって容量を検討します。
たとえば、スマホのデータ保存にmicroSDカードを利用する場合、写真や音楽、動画撮影などによってデータの使い方が変わってきます。
もし写真撮影を目的に容量を選ぶのであれば、写真1枚あたりのデータ容量を確認してみましょう。
仮に1枚あたりのデータ容量が10MBだったとすれば、単純計算で1GBだと100枚保存できます。1GBあたりの保存枚数がわかれば、16GBは16倍の1,600枚、32GBは32倍の3,200枚というように、芋づる式に計算できます。
【容量の目安表】
必要なデータ容量を計算するのが面倒という方もいますよね。用途別にデータ量の目安をまとめてみました。
用途 | 32GB | 64GB | 128GB |
---|---|---|---|
フルHD動画 (1920×1080) |
約5時間 | 約10時間 | 約20時間 |
4K動画 |
約1時間 | 約2時間 | 約4時間 |
MP3 (4分程度) |
約8,200曲 | 約16,400曲 | 約32,800曲 |
ハイレゾ音楽 (4分程度) |
約100曲 | 約200曲 | 約400曲 |
基準2.速度
microSDカードに保存したデータを快適に利用するには、速度に着目することが重要です。
たとえば任天堂は、ニンテンドースイッチで快適にゲームをするために、転送速度が高速なmicroSDカードを推奨しています。
転送速度が速いと、ゲームのロード時間を短縮できます。
ちなみに任天堂が推奨する転送速度の目安は60~95MB/秒です。
ロード時間にイライラしてしまうことがないように、可能な限り転送速度の速いmicroSDカードを選んでみましょう。
連射性能も下がるので、スマホで連射するときなども転送速を確認しましょう。
基準3.目的
microSDカードは目的によっても選び方が変わってきます。
たとえば、microSDカードをドライブレコーダーに利用する場合は、走行中にメモリの読み書きが継続されるので、製品の耐久性が低いと寿命が早く訪れてしまいがちです。
したがって、少しでも安定して長時間書き込みできる耐久性の高いmicroSDカードを選ぶ必要があります。
一般的に利用されるほとんどのメモリーカードでは、耐久性の低いTLC(トリプルレベルセル)という記録方式が用いられています。
そのため、耐久性に優れたmicroSDカードを選ぶときは、MLC(マルチレベルセル)という記録方式に着目しましょう。MLCはTLCよりも書き換え後の保存性に優れています。
スマホに適したmicroSDカードを選ぶには?
スマホの容量が不足してしまいmicroSDを検討している方もいるでしょう。
ただ、ハイスペックなmicroSDカードをスマホ用に購入してしまうと、必要以上に出費を増やしてしまいます。
反対にmicroSDカードのスペックが低すぎても、動画撮影時にコマ落ちや停止などが生じる恐れもあります。
コストをかけずに容量を増やしたいのであれば、スピードクラスがC10、UHSスピードクラスがU1のmicroSDカードがピッタリです。
microSDカードの価格の違い
microSDカードは主にスマホやニンテンドースイッチ、ドライブレコーダーなどに使われています。使い方によって価格が異なるのか気になりますよね?
使い方別に価格の違いをチェックしてみましょう。
ノジマオンラインで販売されている製品の価格例をまとめてみます。
使い方 | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB |
---|---|---|---|---|
スマホ(c10) |
約600円 | 約800円 | 約1,700円 | 約3,500円 |
ニンテンドースイッチ |
約2,000円 | 約2,500円 | 約4,500円 | 約10,000円 |
ドライブレコーダー |
約3,400円 | 約5,700円 | 約9,000円 | 約16,000円 |
使い方によってmicroSDカードの価格が異なることがわかります。
容量だけで選ぶと高額になってしまうことがあるので注意が必要です。
microSDカードを購入するときは用途も意識してみてください。
microSDカードに関する気になるQ&A
ここからはmicroSDカードに関する気になる疑問についてQ&A形式で回答していきます。
1.容量や規格、スピードクラスはどうやって確認すればよい?
1.基本的にmicroSDカードの表面に記載されています。
容量や規格、スピードクラスは、microSDカードの表面に、「〇〇GB」「microSDXC」「V10」などのように記載されています。
くわしくは、先述の「microSDカードのスピードクラスの種類」をご覧ください。
2.microSDカードはSDカード対応機器に使える?
2.変換アダプタを利用すれば使えます。
microSDカードは、microSDカードをSDカード変換アダプタに挿入してSDカードの大きさに拡張できます。
したがってSDカード変換アダプタを利用すれば、microSDカードを各種SDカード対応機器にも挿入できるようになります。
3.ニンテンドースイッチはUHS-IIを選んだほうがよい?
3.規格通りの読込速度が発揮しきれないのでUHS-Iを選びましょう。
ニンテンドースイッチはUHS-Iに対応していますが、UHS-IIには対応していません。UHS-IIのmicroSDを利用できないわけではありませんが、UHS-IIの読込速度が発揮されません。
4.安いmicroSDカードと高いmicroSDカードの違いは?
4.容量や性能に応じて価格が高くなります。
microSDカードは、容量が増えると価格が高くなります。ただし、同じ容量で比較した場合、ハイスペックな製品ほど価格がさらに高くなります。
違いが気になる方は、同じメーカーモデルで比較してみましょう。
「64GB・UHS-I・V30」の製品が約4,500円で販売されている事例があるのに対して、「64GB・UHS-II・V90」の製品が約6,500円で販売されている事例があります。
ニンテンドースイッチの事例からもわかるように、ハイスペックな製品を選んでもmicroSDの性能を活かせない場合があります。
不必要にハイスペックなmicroSDカードを購入しないように注意しましょう。
容量や速度に着目して適切なmicroSDカードを選択!
microSDカードの容量や速度に関して規格の種類をご紹介するとともに、具体的な選び方を解説しました。
microSDカードは容量に着目してしまいがちですが、データ転送速度が遅いとカメラの連写性能が下がったり、ゲームソフトのロードに時間がかかったりします。
スマホに適したmicroSDカードを選ぶのであれば、C10、U1の製品を目安にしてみてください。
ニンテンドースイッチに適したmicroSDカードを選ぶのであれば、メーカーが推奨している60~95MB/秒を転送速度の目安としましょう。
容量や速度に着目して適切なmicroSDカードを探してみてくださいね!
もし、選び方がわからない場合は、お近くのノジマまでご相談ください。メーカー販売員ではないノジマのスタッフがお客様に最適なご案内をさせていただきます。
ご来店された方には気持ちよく、安心してご利用いただけるように、従業員も検温や消毒など感染対策を徹底しておりますので、ぜひお近くのお店へお立ち寄りください。
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※こちらの記事は2022年7月時点の内容です。
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