火災警報器が電池切れ!?義務化から10年、電池交換をお忘れなく!
更新日時 : 2022-09-02 19:28
2006年6月1日に新築住宅への火災警報器の設置が義務化となり、2011年以降には既存住宅への設置が義務化されました。
丸10年以上経ちましたが、みなさんは電池の交換はお済みでしょうか。
新築住宅はもちろん、複数個を設置している場合や集合住宅にも設置の義務化がされていますので、見直しが必要となります。
火災警報器は人命を守るために重要な役目を果たす製品です。ただ、火災警報器の電池が切れてしまうと正常に作動しない恐れがあり、定期的に点検しなければなりません。
そうはいっても、日常的に利用する機器ではないため、電池交換の仕方や電池の処分方法などがよくわからないですよね。
そこで今回は、火災警報器の概要をおさらいしつつ、電池切れに備えるために必要な情報をまとめてみました。
万が一のケースに備えて、火災警報器の維持・管理をあらためて見直してみましょう!
動画でもご覧いただけます!
目次
火災警報器とは? 電池が切れるとどうなる??
火災警報器は、火災によって発生する煙や熱を感知して、音や音声による警報で火災の発生を知らせる機器です。
火災警報器の概要や、電池が切れたときの動作、電池に関するトラブル事例などについて解説していきます。
火災警報器の概要
火災警報器とは、熱や煙を感知すると警報を発信するもので、天井や壁に設置します。
火災が発生すると「火事です」のように音声を流します。目・耳が不自由な方、高齢者の方などでも警報を受け取れるよう、振動や光で警告する補助警報機器もあります。
電源に関しては、電池を使うタイプや、コンセントから給電するタイプなどに分かれています。
火災警報器は、ホームセンターや電器店、ガス事業者などから購入可能です。価格はメーカーや種類、機能などによって違ってきます。
すでに住宅用火災警報器の設置は義務化されていますが、違反に対する罰則はありません。
ただ、人命を守るために大切な機器なので設置することをおすすめします。
火災警報器と火災感知器、火災報知器などの違い
火災警報器と火災感知器、火災報知器などの違いが気になる方もいるでしょう。
結論として、火災報知器の種類に火災警報器や火災感知器が含まれます。主な違いは以下の通りです。
- 火災感知器…熱や煙などを感知して、信号を送るもの
- 火災警報器…熱や煙などを感知すると、感知器自体が音を鳴らすもの
- 火災通報装置…起動ボタンを押すと消防機関に通報できる
一般的に住宅では、火災感知器が音声やブザーで警報を鳴らす「住宅用火災警報器」を導入します。
ビルや商業施設といった大規模な建物では、各機器の機能をまとめて搭載した「自動火災報知システム」が導入されています。
火災警報器の電池が切れたときの動作
火災警報器は古くなると、「電池切れです」という警報が鳴ることがあります。警報停止ボタンを押したり、引き紐を引いたりすれば警報を止められます。
ただし、電池切れの状態を放置すると一定時間で再び警報がなる仕組みです。当然のことながら、電池切れの警告音は、電池が切れてしまうと最終的にならなくなってしまいます。
したがって、警報が鳴ったときは電池交換が必要です。使用している電池と同じ品番の電池を購入しましょう。
火災警報器の電池に関するアンケート結果
2017年には独立行政法人国民生活センターから、住宅用火災警報器の使用実態や点検に関するアンケートの調査結果が報道発表されています。
アンケートの調査対象は、電池式の住宅用火災警報器を設置している2,000名(18歳~79歳までの男女)です。
電池切れに対して警報を出す機能について質問を行ったところ、6割近くの方が知らなかったとのことです。警報音を見過ごしてしまうと、電池交換が遅れてしまいます。
電池切れを伝える音をあらかじめ把握しておくことが重要でしょう。
また、火災警報器のトラブル経験について質問したところ、約1割の方がトラブルを経験しており、電池切れや誤作動によるトラブルがほとんどでした。
トラブルが発生したとき、そのまま放置してしまっている方も少なからずいるようです。
電池切れや誤作動が起きたときには、正常に作動する状態に復旧するようにしましょう。
火災警報器の電池に関する相談事例
全国消費生活情報ネットワークシステムのPIO-NET(パイオネット)には、2012年度以降に住宅用火災警報器の電池や誤作動に関する相談が相次ぎました。
電池や誤作動に関する相談事例は下記の通りです。
- 10年前に設置が義務化されたときに購入した火災警報器の電池が切れたが、電池だけの交換ができないように思えた。
- 自宅に火災警報器を取り付けたが、電池切れの通知音が10日間鳴りやまずに、対処できなくて困った。
義務化から時間が経過して電池が切れるにともない、交換に関するトラブルが起こるようです。
電池が切れたときにスムーズに交換できるよう、あらかじめ交換方法を把握しておくことが重要です。
反対に火災警報器を取り付けたばかりでも、誤作動で電池切れの通知音がやまないトラブルも報告されていました。
一般的に、内蔵電池を取り外すことで警報音を完全に停止できます。最近はメーカーが警報音の停止方法などを動画でわかりやすく説明している場合もあります。
困ったときはメーカーのホームページもチェックしてみましょう。
火災警報器の電池交換が重要な理由
2011年(平成23)年6月1日から消防法関係法令等の改正によって、すべての一般住宅に火災警報器の設置が義務化されています。
なぜ、一般住宅で火災警報器が義務化されるようになったのか、気になる方もいるでしょう。
一般住宅で火災警報器が義務化された背景は、建物火災と住宅火災に関する死者の割合を知ることでわかります。
総務省消防庁の報告によると、2019年(令和1年)の建物火災による死者1,197人のうち、住宅での死者は1,000人となっていて83.5%の割合を占めていました。
引用:令和2年版 消防白書(PDF版) | 令和2年版 消防白書 | 総務省消防庁
住宅の火災でなくなっている方が多いことがわかります。
したがって火災警報器は、住宅に住む人々の命を火災から守るために重要な存在です。
しかし、電池切れの火災警報器を放置し続けると、火災が発生したときに作動しません。
すでに住宅における義務化から丸10年が経過していて、電池が寿命に近づいている火災警報器も多いので、一度見直してみましょう。
火災警報器が正常に動作するよう、電池交換を忘れずに万が一の火災に備えるようにしましょう!
火災警報器の電池と本体を交換する時期の目安
火災警報器の電池と本体を交換する必要性を判断するには、機器の点検が必要です。
点検をするときは、火災警報器のボタンを押したり、ひもを引いたりして音を確認しましょう。
正常であれば「ピーピーピー」「ピーピーピー火事です」「正常です」などの音が流れますが、電池切れだと「ピッ…ピッ…」という音が鳴ることがあります。
電池切れの場合は、すぐに電池交換が必要です。
一般社団法人日本火災報知器工業会によると、住宅用火災警報器は10年を目安に取り替えることが推奨されています。
点検したとき正常音がしていても、製造後10年以上の場合であれば、交換したほうがよいということです。
反対に音が鳴らない場合や故障音が鳴っている場合、年数に関係なく交換する必要があります。
設置年月や製造年月は、火災警報器の側面や裏側などに記載されているので確認してみましょう!
火災警報器の電池を交換する方法
火災警報器の電池を交換する流れを解説していきます。
ステップ1.火災警報器を天井や壁から取り外す
火災警報器の電池を交換するときは、設置パターンによって本体の取り外し方が異なります。
本体を天井や壁に押し付けながら、左(反時計回り)に回転させて外します。
なお、本体の外周以外を持つと破損してしまうリスクがあるので、本体の外周を持つようにしましょう。
ステップ2.火災警報器の電池を交換する
電池を取り出すときは、本体の電池コネクタから古い電池の接続コネクタを引き抜いて外します。
古い電池を取り出したら、新しい電池の接続コネクタを本体の電池コネクタに装着します。
ステップ3.火災警報器の動作確認を行う
電池を交換した後は、数秒経過してから警報停止ボタンを押して、正常を示す音声が鳴ることを確認しましょう。
電池の交換方法は、動画でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
火災警報器と電池を処分する方法
火災警報器と電池に関する処分方法の例をご紹介していきます。
なお、火災警報器と電池の処分方法は、自治体によってルールが決まっている場合がほとんどです。
自治体のルールを確認してから適切な方法で廃棄しましょう。
火災警報器の本体の処分方法
各自治体の規定によって異なりますが、火災警報器は基本的に可燃ごみではなく、不燃ごみや粗大ごみとして処分します。
たとえば岐阜市では、本体を粗大ごみとして処分するルールです。札幌市では、燃やせないゴミの日に指定ゴミ袋(有料)に入れて処分します。
火災警報器の電池の処分方法
一般的に火災警報器の電池を廃棄するときは、電池の保護フィルムをはがさず、コネクタ部分に絶縁テープを巻きます。
絶縁テープの例は、セロハンテープやビニールテープなどです。絶縁状態を保たないと、電池がショートして発火・破裂するリスクが高まります。
千葉市では、火災警報器の本体を不燃ごみとして処分する一方で、使用した電池は有害ごみとして処分するルールです。
火災警報器に取り付ける電池は型番が決まっていますので、捨てる前に電池の型番を確認しておきましょう!
火災警報器と電池の取り付け方
一般的な火災警報器と電池の取り付け方についても確認しておきましょう。
- 火災警報器の本体と取付ベースを分離する
- ドライバーを用いて取付ベースをネジで天井や壁に取り付ける
- 本体に電池を入れる
- 電池を入れた本体をベースにはめ込む
なお、火災警報器は自由な場所に設置してよいわけではありません。
たとえば、壁や梁、エアコンの吹き出し口などから、一定以上の距離を離して設置する必要があります。
メーカーが詳細なルールを提示しているので、取り付け前に詳細を確認しておきましょう。
ただ、初めて火災警報器を設置する方であれば、正しく取り付けられるか不安に感じますよね。
お住いの市町村によっては消防職員が取り付けを代行してくれるので、もし自信がない場合は自治体への相談を検討してみてください。
例えば横浜市の場合だと、取り付けが困難な高齢者や障がい者世帯の方であれば、希望をすれば消防職員の方が取り付けを行ってくれます!
火災警報器の電池はどこに売ってる?値段はどれくらい??
火災警報器の交換用電池は、ノジマなどの家電量販店やメーカーの販売サイトで購入可能です。
電池であればどの製品を購入しても機能すると思ってしまう方もいるかもしれませんが、対応機種が決まっています。
通販サイトで電池を購入するときは、販売ページに掲載されている対応機種を確かめましょう。
以下の商品のように、「◯◯(型番)互換電池」など互換性の電池も販売されているので、この機会に電池の交換を検討してみてくださいね。
【エルソニック】リチウム電池【住宅用火災警報器 Panasonic SH384552520 互換電池】 ECPCR123A1P
公称電圧 | 3V |
---|---|
公称容量 | 1600mAh |
サイズ(直径×高さ) | 17×33.5 mm |
質量 | 約16g |
使用温度範囲 | -40 ~ 85℃ |
電池タイプ | CR系円筒(長寿命タイプ) |
使用推奨期限 | 10年(電池表面のフィルムに記載) |
火災警報器の電池を交換して安心して暮らそう!
以上、火災警報器の概要をおさらいしつつ、電池が切れたときの動作や、電池交換の方法、電池の処分方法などを解説しました。
住宅用火災警報器の設置が義務化されてから10年経過していることを知って、あらためて電池切れが心配になった方も多かったのではないでしょうか。
火災はいつ発生するかわかりません。安心して暮らすには火災警報器の管理が特に重要です。
今回紹介した点検方法を試して、もし電池切れや故障の疑いがあれば、速やかに電池や火災警報器を交換しましょう。
購入する電池や火災警報器に迷ったときは、ぜひノジマにご相談ください。
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