SDGsとは?17項目の取り組み目標を身近な例でわかりやすく解説
更新日時 : 2022-04-15 11:08
人々が幸せに生きていける社会を目指していくために定められた目標として、SDGsという言葉が知られています。
しかし、SDGsに関する情報には専門用語が飛び交い、よく理解できず他人事のように感じてしまった方もいるのではないでしょうか。
今回は、SDGsの内容を身近な例を交えながらわかりやすくまとめてみました。
子供や小学生、中学生、大人などの立場を問わず、ぜひSDGsについて学んでみてくださいね。
SDGsとは?
SDGsとはSustainable Development Goals(サステナブル ディベロップメント ゴールズ) の略称であり、直訳すると「持続可能な開発目標」を意味します。
読み方はエス・ディー・ジーズです。2015年9月の国連サミットで採択されました。
持続可能な開発目標と聞いても、なんだかわかりづらいですよね。
簡単にいうと、現在生きている人々やこれから生まれてくる人々が、希望を持って生きられる世界を目指すための目標です。
具体的には、貧困や地球環境などの問題を解決し、世界中の人々が豊かに暮らせる世界を実現できるよう、17個の目標が定められています。
国連加盟国である193ヶ国が、2016年から2030年までに目標達成を目指している現状です。
SDGsの具体的な目標17項目
SDGsは通称「グローバル・ゴールズ」とも呼ばれており、世界中の人々が協力して目指すべき重大な目標が定められています。
目標ごとに課題の達成基準であるターゲットが設定されています。
ここからは、SDGsの各目標やターゲット、実現方法などをわかりやすく解説していきます。
世界を少しでもよくするために、私たちにできることがないか、あらためて考えてみましょう。
目標1.貧困をなくそう
「貧困をなくそう」という目標では、世界で極度の貧困に陥っている人々をなくすことや、各国、地域、および国際レベルなど、さまざまな次元で貧困ラインを下回っている人々の割合を減らすことなどを目指しています。
ちなみに目標が設定されたときにおける極度の貧困とは、1日1.25米ドル(約135円未満)で生活しなければならない状態です。
日本では缶ジュースが100円程度で販売されていることを考えると、とても過酷な環境で生活を強いられる状態だと想像できるでしょう。
世界の貧困状況について
公益財団法人日本ユニセフ協会は世界の貧困状況についての動向をまとめています。
日本ユニセフ協会によれば、世界で6人に1人が極度な貧困に陥っているとされます。
また、年齢に限らず極めて貧しい暮らしを強いられている人の数と変化の割合は下記の通りです。
エリア | 1990年 | 2013年 |
東アジア・太平洋諸国 | 9億6,600万人 | 7,100万人 |
ヨーロッパ・中央アジア | 900万人 | 1,100万人 |
ラテンアメリカとカリブ海諸国 | 7,100万人 | 3,400万人 |
中東と北アフリカ | 1,400万人 | 未表示 |
南アジア | 5億500万人 | 2億5,600万人 |
サハラ以南のアフリカ | 2億7,600万人 | 3億8,900万人 |
世界 | 18億4,100万人 | 7億6,600万人 |
参考:世界銀行ホームページ “SDGs Atlas 2017”
目標達成に向けたターゲット
2030年までに1日1.25ドル未満で生活する人々を世界各地でなくすことや、各国が定義した貧困状態に陥る人々を半減させること、各国で適切な社会保護制度を構築して貧しい人々を保護することなどを目指していきます。
また、経済・環境・災害などに対する貧しい人々の脆弱性を軽減することも達成基準の一つです。
身近な対策の例
目標を実現させるためには、開発途上国が貧困対策を実行できるように、さまざまな方法で資金を確保することが大切です。
したがって、私たちが身近にできることとして、寄付や募金が挙げられます。
しかし、一生懸命働いて得たお金を寄付するのには勇気が必要ですよね。
その場合は、国際協力関連のイベントに参加して、団体の具体的な活動を知ってみるとよいかもしれません。
開発途上国への支援を学べば、寄付への考え方も前向きになってくるはずです。
目標2.飢餓をゼロに
全世界では大勢の人々が、健康的に生活するための栄養を摂取できずに苦しんでいます。
体力のない幼児だと、最悪のケースでは死に至ることもあります。
「飢餓をゼロに」は、飢餓と栄養不良をなくし、持続可能な食糧生産の達成を目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、貧困に苦しんでいる人や立場の弱い幼児が、1年中にわたって安全な食料や栄養のある食料を食べられるようにします。
小規模な食料生産者の生産性と収入も倍にしていくとのことです。
また、気候変動や洪水などで食料が不足しては困るので、いつでも回復できるような農業を行っていきます。
身近な対策の例
目標を実現するには、世界で農産物が適切に取引されるルールを整備したり、開発途上国における食料の生産量を増やすために知識を普及したりする必要があります。
日常生活では、食品を余らせてしまうことがありますが、食糧難で苦しむ人々がいることを考えると、SDGsの目標に反した事例です。
無駄な買い物を控えたり、賞味期限を忘れて食品を捨てたりしないように配慮しなければなりません。
余った料理をリメイクするなどの取り組みも検討してみましょう。
目標3.すべての人に健康と福祉を
日本では、風邪を引いたり、熱が高かったりしたとき、病院に行って診察を受けられますよね。
しかし、世界では医師の数が少ない国もあり、病気が辛くても治療してもらえないことがあります。
「すべての人に健康と福祉」という目標では、すべての人が健康で幸せな生活を送れることを目指しています。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、世界の妊娠中やお産で死亡する母親の死亡率を出生10万人あたり70人未満まで減少させることや、感染症以外の病気で亡くなってしまう若年者の割合を、予防や治療を通して1/3までに減少させることなどを目指しています。
また、薬物やアルコールの乱用を防ぐことや、交通事故による死亡やケガを半分まで減少させるという達成基準も掲げられています。
身近な対策の例
現在の日本では、医療費の負担を和らげる制度が整っています。
具体的には、原則として75歳以上の人は1割負担、70歳から74歳までの人は2割負担、70歳未満の人は3割負担、6歳未満の人は2割負担です。
しかし、少子高齢化の影響によって医療費を負担する働き世代の減少が危ぶまれており、日本でも医療保険制度の維持が難しくなる可能性があるといわれています。
したがって、国民1人ひとりが運動習慣や食生活を見直し、少しでも病気にならないような生活を心がけることが大切になっていくでしょう。
そのほか、安全運転に配慮したり、お酒を適度に楽しんだりすることも重要です。
目標4.質の高い教育をみんなに
世界では、小学校や中学校、高校に通えない子供たちがたくさんいます。
子供たちが適切な教育を受ければ、偉大な発明をする科学者や、国を正しい方向に導く指導者、たくさんの人々を救える医師などが誕生するかもしれません。
子どもたちの未来を切り開くために大切な指針だといえるでしょう。
「質の高い教育をみんなに」は、人々が一生涯にわたって公平に教育を受けられるようにするための目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、すべての子供たちが小学校と中学校を卒業できるようにすること、すべての若者やほとんどの成人が読み書きと計算能力を身に付けられることなどを目指しています。
そのほか、開発途上国や島国などで知識と経験が豊富な教育者の数を増やしたり、先進国で高等教育を受けるための奨学金を世界的に増やしたりしていくとのことです。
身近な対策の例
教育が受けられない環境で生活している人がすぐそばにいれば、直接勉強を教えてあげることも可能でしょう。
しかし、教育を受けられない人々は世界中に存在していることを考えると、自分にできることはないように思えるかもしれません。
ですが、教育を受ける環境を整えるために募金をすることは可能です。
募金したお金は鉛筆やノート、スクールバッグ、運動アイテム、教材などに変わっていきます。
身近で何かできることを探している方は、ひとまず教育支援団体に募金をすることから始めてみてはいかがでしょうか。
目標5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーは、英語でgenderとあらわされ、日本語では性別を意味する言葉です。
世界では、ジェンダーによる不平等に悩んでいる人々がたくさんいます。
たとえば、中学や高校に通っている割合が女性より男性の方が高い国があったり、女性ばかりに家事の負担が集中してしまったりするケースが見受けられます。
そのほか、望まない妊娠を強いられたり、暴力を振るわれてしまったりする女性も少なくありません。
「ジェンダー平等を実現しよう」という目標では、男女平等を実現して世界中の女性が能力を発揮しきれる環境を整えることを掲げています。
目標達成に向けたターゲット
すべての女性に対する差別をなくすことをはじめ、女性への暴力をなくすことや、強制的な結婚の慣習をなくすことなどを目指していきます。
政治や経済など、社会で重要な分野で女性がリーダーになれる体制を整えることも達成していくとのことです。
身近な対策の例
日本では、かつて専業主婦の割合が高く、男性が働いて女性が家事をするという役割分担が基本でした。
しかし、時代の流れが変わって社会に進出する女性の姿も多く見かけるようになり、共働き世帯も増えています。
働きながら家事や子育てをすることは容易ではありません。
女性は家事をこなして当たり前という価値観のままでは、女性に肉体的・精神的な負担が集中するばかりです。
男性も料理や洗濯を手伝い、子どもと関わる時間を増やしていくなど、女性を思いやる取り組みが重要になっていくことでしょう。
目標6.安全な水とトイレを世界中に
日本では、自宅や会社、公園、商業施設など、ありとあらゆる場所でお手洗いがあります。
しかし、世界では道端や草むらなどの野外でトイレをする人が約6億7300万人も存在しています。
排せつ物が適切に処理されなければ、不衛生な環境で過ごさなければなりません。
衛生環境が悪く、下痢で命を落とす子供たちもいます。
「安全な水とトイレを世界中に」は、すべての人々が水とトイレを安心して利用できることを目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、すべての人々がトイレを利用できるような環境を整備し、屋外で排せつをする人々をなくすことを目指していきます。
また、すべての人々が安全な水を安い価格で利用できるようにすることや、水の利用を効率化して水不足で苦しむ人々を大幅に減らすこと、処理されないままの排水を半分にすることなども、課題として設定されています。
身近な対策の例
水は地球上にたくさんあるように思う方もいるかもしれませんが、汚染してしまうと利用できなくなります。
たとえば河川の水質が悪化すると、カビ臭い異臭を発生させる原因となり、水道水がおいしくなくなります。
人々が安全でおいしい水を利用できるようにするためにも、環境汚染に目を向けて生活排水の対策を行っていくことが重要です。
汚れのついた食器を新聞紙で拭きとってから洗ったり、米のとぎ汁を植木にあげて排水を減らしたりするなど、日常生活で細かい対策を実践していきましょう。
目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
料理を作ったり、エアコンをつけたり、温かいお風呂に入ったりできるのは、エネルギーがあるからです。
しかし、世界ではエネルギーを利用できずに不自由な暮らしを送っている人々がいます。
また、石油や石炭、天然ガスなどの資源は限られているほか、燃焼して生成された二酸化炭素により地球温暖化が進んでいくのも課題です。
「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、すべての人々が安い値段で安定的かつ現代的なエネルギーを使えること目指す目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに再生可能エネルギー(太陽光・風力・地熱など)の利用割合を増やすことを達成基準として掲げています。
また、同じ量のエネルギー源からより多くの電力や力を生成できるようにすることも達成していくとのことです。
身近な対策の例
日本では1人あたりの電力使用量が世界的に上位であることが知られています。
したがって、1人ひとりが節電に取り組むことが、身近な対策として効果的でしょう。
たとえば、空調を利用するときはドアや窓の開閉を少なくします。
カーテンやすだれによって日差しをカットしたり、扇風機を併用して空気を循環させたりするなどの工夫も節電として有効です。
そのほか、照明の点灯時間を短くしたり、LEDランプを導入したりする方法もあります。
エアコンの節電について気になった方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
参考:エアコンの電気代はいくら?暖房や冷房、除湿、つけっぱなしの場合、節約方法を解説(家電小ネタ帳)
目標8.働きがいも経済成長も
日本では、小学校や中学校、高校に通い勉学に打ち込める環境が整備されています。
高校を卒業して働く方もいますが、専門学校や大学などに通って将来の進路をじっくりと考える選択肢も用意されています。
しかし、世界では幼い子供がお金をもらえずに危険な労働を強いられている光景も珍しくありません。
いわゆる児童労働です。
心身の発達や教育面での発達が阻害されてしまう可能性があります。
「働きがいも経済成長も」は、経済を成長させて人々が人間らしく仕事に打ち込めるような社会を構築することを目指す目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、経済成長が環境を悪化させることのないよう、世界がより効率的に資源を使えるようにすることや、若い人や障害を持つ人たちがやりがいのある仕事に就業できることを目指しています。
また、2025年までにあらゆる形の児童労働をなくすことや、2020年までに仕事や通学をせずに職業訓練を受けていない若者たちを大幅に減らすことなども達成基準です。
身近な対策の例
世界では劣悪な環境で安い商品を作らされている人々がいます。
たとえば、サッカーボールの生産が該当します。
朝から夜まで一つのボールを約15円で縫う仕事を、幼少期から任されていた子供の事例も見受けられます。
手に針をさしてしまったり、学校に行く時間がとれなかったりすることが問題でした。
フェアトレードの基準を守った商品を購入することも、目標実現に向けて私たちができることです。
参考:フェアトレードの認証製品(特定非営利法人フェアトレード・ラベル・ジャパン)
目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
知らないことがあったらスマートフォンやパソコンで検索しますよね。
また、友達と遊びに行く約束をするときにLINEでメッセージを送信することもできます。
通信環境が整備されているおかげです。
しかし開発途上国では、インターネットや電話が満足に利用できないことがあります。
日本でも近年、水害や地震、土砂崩れなどの被害が多発しています。
災害時には伝送路の切断や基地局の倒壊などによって、通信が止まってしまうリスクもゼロではありません。
「産業と技術革新の基盤をつくろう」は、災害に強いインフラを整備するとともに、新しい技術によって人々に役立つ産業化を目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
すべての人に向けて安さと公平さを重視しつつ経済発展と福祉を進めるため、質が高くて信頼できるだけでなく災害に強くて持続可能なインフラを構築することを課題としています。
2030年までに各国で、雇用と国内総生産に占める農業や漁業など以外の割合を大幅に増加させることも目指しています。
ちなみに国内総生産とは、国内で生み出されたモノやサービスの付加価値です。
身近な対策の例
近年では新型コロナウイルスが発生し、在宅勤務を余儀なくされた企業も多くなりました。
しかし、Web会議ツールやチャットツールなどの存在によって、災害時でもビジネスを停滞させずに済む手段も浸透していきました。
このような新たな通信サービスのアイデアを生み出すのも、社会で働く人々です。
インターネットや通信技術はますます便利になってきています。
暮らしを便利にする技術を日ごろから考えて、社会に発信していく姿勢も重要だといえるでしょう。
目標10.人や国の不平等をなくそう
同じ人間であっても、生まれた環境によっては、貧しい人も裕福な人もいますよね。
たとえば、食費や税金を支払うので精一杯な人々がいる一方で、億万長者と呼ばれる一般人からかけ離れた資産家たちも存在します。
最近では1兆円を超える資産家も珍しくなくなりました。
「人や国の不平等をなくそう」では、性別・年齢・障害・人種・階級・民族・宗教・経済状態に関する不平等を解決していくことを目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに各国で、所得の低い人々(全体の4割)の所得の増え方が、国全体の平均を上回る状態に維持できるようにしていきます。
また、すべての人が差別を受けずに能力を高めて、社会的・経済的・政治的に取り残されない社会を実現していくことも課題です。
身近な対策の例
差別が生まれる原因は、人々がお互いのことを深く知らないことが大きな要因だといえます。
したがって、日ごろから自分とは違う境遇の方と対話し、お互いの違いを認め合って理解していくことが重要です。
ただ、「類は友を呼ぶ」ということわざがある通り、意識しないで日々の生活を送っていると、似た価値観を持つ人々と接してしまいがちです。
ボランティアに参加したり海外旅行に出かけたりするなどして、普段出会わない人々と接する機会を設けてみるとよいでしょう。
目標11.住み続けられるまちづくりを
都会には、主要企業や国の公共機関、娯楽施設などが集中しているため、利便性が高く人も集まりやすい傾向があります。
しかし、都会に住む人々があまりにも増えてしまうと、満員電車や交通渋滞、家賃の高騰、災害によるリスクの増加など、さまざまな課題が発生します。
「住み続けられるまちづくりを」は、人々がいつまでも安全に暮らせる災害に強いまちをつくることを目指す目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までにすべての人々が安全な家に安い値段で暮らせるようにすることを目指すとともに、都市で貧しい人々が暮らすスラム街の状況を改善していくとのことです。
また、お年寄りや障害者などの弱い立場に配慮して安い値段で利用できる安全かつ持続可能な交通手段を整備することも課題として位置づけられています。
身近な対策の例
世界の貧困層居住地では、水浴び場やトイレ、ゴミ収集などの環境が整っていないことで、汚水による病気にかかってしまう子供たちが存在しています。
劣悪な環境を改善するためにできる身近な手段が募金です。
5,000円の支援で浄水フィルター1基、1万円の支援で家庭8世帯分の手洗いバケツ、3万円の支援で2ヶ所の手洗い場所、10万円の支援でゴミ運搬荷車といった備品などを用意できます。
目標12.つくる責任つかう責任
スーパーやコンビニなどで食品が気軽に購入できる時代ですが、食品の廃棄に関する問題も見過ごせなくなっています。
農林水産省によると、本来食べられるのに捨てられてしまう食品の量は、平成30年の推計値が年間600万tでした。
日本人1人あたりが、毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと同じであるとのことです。
「つくる責任つかう責任」は、持続できる生産・消費活動の実現を目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに店舗や消費者に捨てられる食料を半分に減らすことや、天然資源を持続的に管理して利用効率を高めることなどがターゲットです。
また、リサイクルやリユースなどによってゴミの発生を減らすことも課題として挙げられています。
身近な対策の例
目標を達成するための身近な例としては、食事に関する考え方から見直すことが重要です。
賞味期限の近い値引き商品を購入したり、食べ切れる分だけ注文したりするようにします。
また、料理が趣味の方であればさまざまな食材を購入することでしょう。
しかし、食材を使いきれないと腐ってしまい廃棄せざるを得なくなります。
料理本やレシピサイトなどを有効活用して、食材を使いきれる献立を考える習慣をつけましょう。
目標13.気候変動に具体的な対策を
そもそも気候とは、大気の平均状態を意味します。
気候変動は、さまざまな要因による気候の変化です。
近年は、石油や石炭などの燃焼によって二酸化炭素濃度が増加し、地球温暖化に対する懸念が強まっています。
気温が上昇すると異常気象が頻発する恐れがあり、生活や農業などに悪影響を及ぼすリスクがあります。
「気候変動に具体的な対策を」は、気候変動から地球を守る行動を促す目標です。
目標達成に向けたターゲット
気候に関する災害が起きたときに各国が立ち直れる力を持つことや、気候変動への対応を各国が政策や戦略、計画に組み込むことなどが達成基準です。
そのほか、気候変動が起きるスピードを緩和したり、人や組織の警戒能力を高めたりすることも目指していきます。
身近な対策の例
地球温暖化はエネルギーを使用することに原因があるので、1人ひとりに省エネを意識する対策が求められます。
誰もいない部屋の電気を消したり、車をなるべく利用せず自転車に乗ったりする対策が挙げられます。
異常気象による災害の備えも必要です。
避難場所までの行き方や家族間の連絡方法を決めておきましょう。
近年は熱中症も増加傾向なので、熱中症対策も大切です。
こまめに水分補給をしたり、日傘・帽子などを着用したりすることを心がけましょう。
最近では、省エネでありながら、風量を細かく調整できるうえに音が静かなDCモーターの扇風機も登場しています。
ぜひ導入を検討してみるとよいでしょう。下記の記事で詳しく解説しているので、概要を一度チェックしてみてください。
参考:扇風機はDCモーター型が主流?ACとの違いやメリットなどを徹底解説!(家電小ネタ帳)
目標14.海の豊かさを守ろう
世界では、海洋プラスチックによる環境汚染が地球規模で広がっていて、北極や南極でもマイクロプラスチック(5mm以下の微細なプラスチック粒子)が観測されました。
マイクロプラスチックが、海洋生物や人体に悪影響を及ぼす可能性も危惧されています。
マイクロプラスチックの問題に限らず、クジラがビニール袋や海洋ごみを飲み込んでしまい、衰弱死してしまった事例も見受けられます。
「海の豊かさを守ろう」は、海洋や海洋資源を保全して持続可能な形で利用することを目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2025年までに海洋ごみや富栄養化など、あらゆる海の汚染を防ぐことを達成基準として定めています。
2030年までに開発途上国が海洋資源を持続的に利用して経済的利益を得られるようにすることもターゲットです。
人間の活動から生じる二酸化炭素による海洋酸性化も課題として挙げられています。
海洋酸性化は、海洋生物の成長や繁殖などに影響を与え、海洋の生態系を変化させるリスクがあります。
海洋酸性化の影響を最小限にしていくことも目指しています。
身近な対策の例
海洋汚染を食い止めるために私たちができる身近な対策の例として、レジ袋を利用しないことが挙げられます。
レジ袋はマイクロプラスチックの原因です。
すでに世界ではレジ袋の削減に向けて、レジ袋の使用を規制する方向性が打ち出されています。
日本でもレジ袋の有料化が始まっていますよね。
レジ袋は小額で購入できますが、海洋汚染対策としてエコバッグを利用しましょう。
最近では、折りたためるエコバッグや防水タイプのエコバッグ、オシャレなデザインのエコバッグなどが登場しています。
継続して利用したくなるエコバッグを探してみるとよいでしょう。
目標15.陸の豊かさも守ろう
日本では鹿が増加し、樹皮を食べられて樹木が枯れてしまうなどして、山の豊かさが失われているエリアがあります。
鹿の天敵である狼が絶滅してしまったことが原因である可能性があるとのことです。
また、世界では乾燥地の砂漠化が進んでいます。
砂漠化とは、今まで植物の育っていた土地が、植物の育ちにくい土地に変化してしまう現象です。
食料生産基盤の悪化や、環境難民の発生、生物多様性の低下などの影響が危惧されています。
「陸の豊かさも守ろう」は、多様な生物が生きられるように、陸の生態系を守ったり砂漠化を防いだりすることを目指す目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに多様な生物が生きられる山の生態系を守ることや、砂漠化・干ばつ・洪水などで衰弱した土地を回復させることなどを達成基準として掲げています。
そのほか、生物の絶滅を防ぐための対策や、動植物の密猟を防ぐための対策なども、緊急の課題として取り上げられました。
身近な対策の例
陸の環境を保全する取り組みとして、森林活動に参加してみるのもおすすめです。
たとえば日本では、海からの飛砂・塩害・風から街を守るための砂防林を育てる活動や、良質な木材を生産できるヒノキ林を育てる活動、火山ガスで枯れた樹木を再生する活動などが各地で実施されています。
特定非営利活動法人がプログラムで参加者を募集していることがあるので、森林活動に興味がある方はぜひ参加を検討してみてください。
目標16.平和と公正をすべての人に
子供が学校でケンカをしたら、教師や保護者が仲裁に入ることで、トラブルを解決できることがあります。
しかし世界では、宗教や文化、民族などの違いから争いが発生し、容易に解決することのない問題が多くあります。
争いの影響によって、子どもが戦闘に参加させられたり、食料不足で栄養失調になったりすることも少なくありません。
「平和と公正をすべての人に」は、すべての人が安心して暮らせる平和で平等な世界を築いていくことを目指した目標です。
目標達成に向けたターゲット
2030年までに、法律に違反する資金や武器の取引を大幅に減らして、奪われた財産をもとに返すことを課題としています。
また、生まれた子供が各国で国民・市民として出生登録されるようにすることもターゲットの一つです。
そのほか、国境を超えるトラブルを解決するための国際機関に、多くの開発途上国が参加できるようにすることも目指しています。
身近な対策の例
世界では、迫害や差別にさらされて、国外の難民キャンプで過酷な生活を強いられている人々がいます。
そのような人々たちを支援している団体の例として挙げられるのが「国境なき医師団」です。
キャンプ内に病院や診療所を設置しているだけでなく、生活必需品の配布や心のケアなどまで行っています。
1,500円で63人分の清潔な飲料水、3,000円で120人分の基礎医療セット、1万円の寄付で300食の栄養治療食などを確保できます。
遠く離れた難民の方を支援するためにできる身近な手段として、寄付は現実的な手段です。
ちなみに、国境なき医師団への寄付は寄付金控除の対象となっています。
目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
日本は資源や食料などを海外から輸入しています。
私たちが不自由な暮らしていけるのは、世界との協力関係があるからです。
したがって、困っている人を見かけたら手を差し伸べるように、困っている国があったら国際的にサポートしなくてはなりません。
「パートナーシップで目標を達成しよう」は、SDGsの目標を世界で協力して解決していくことを掲げた目標です。
目標達成に向けたターゲット
開発途上国を含むすべての国がSDGsを達成できるように、世界的な協力関係を強化する必要があります。
そのために、専門知識や技術、資金を共有していくことがターゲットとして掲げられています。
また、最も開発が遅れている国に対する政府開発援助を、国民総所得の0.2%にすることが望ましいとされています。
政府開発援助とは、国あるいはその国の国際協力を実施する機関が、開発途上国等に対して経済・社会・福祉の向上を支援するために、資金や技術を提供するサポートです。
Official Development Assistance(オフィシャル ディベロップメント アシスタンス)の略称としてODAと呼ばれています。
身近な対策の例
国際協力に参加して世界の問題に向き合える機会が存在しています。
たとえば、海外協力隊です。開発途上国からの要請によって、必要な技術や知識、経験を持つ人々を募集し、選考・訓練を行って派遣する事業として知られています。
現地での活動は受け入れ政府や募集機関が負担してくれます。
具体的には、生活費や渡航費などです。若者から高齢者の方まで、対象年齢に該当すれば何度でも挑戦できます。
興味がある方はぜひ海外協力隊の活動内容をチェックしてみてください。
SDGsに関する日本のアクションプラン
日本は2016年に5月にSDGs推進本部設置し、同年12月にSDGs実施指針の策定を行いました。
2017年には「SDGsアクションプラン2018」を決定し、毎年にわたってアクションプランを作成しています。
参考に「SDGsアクションプラン2021」の内容を確認してみましょう。
重点事項として定められている取り組みは下記の通りです。
- 感染症対策と次なる危機への備え
- よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
- SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
- 1人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
- 重点事項1.感染症対策と次なる危機への備え
- 重点事項2.よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
- 重点事項3.SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
- 重点事項4.一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
重点事項1.感染症対策と次なる危機への備え
現在は新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るう時代となりました。
日本では、治療やワクチンの開発や製造、普及を包括的にサポートし、それぞれに対して公平なアクセスの実現を目指しています。
今後は検査体制の計画的な構築や、保健所の機能強化などを行い、国民の生命を守るための体制を確保していくとのことです。
重点事項2.よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
デジタルトランスフォーメーションを推進してすべての人がデジタル化のメリットを受けられる環境を整備していきます。
また、テレワークを含めた働き方改革によって、働きがいのある人間らしい仕事を実現し、誰もが豊かさを実感できる社会を目指していくとのことです。
そのほか、バイオ戦略や科学技術イノベーションを加速化し、生産性を高めることで経済の成長も目指していきます。
重点事項3.SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとすることを目標に掲げて、経済と環境の好循環を生み出していきます。
SDGs未来都市(SDGs達成のために積極的に取り組む都市)を通じた地方創生にも取り組んでいきます。
SDGs未来都市の成功事例を普及・展開して、国内外に情報を発信していくとのことです。
重点事項4.一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
あらゆる分野で女性の参画やダイバーシティ、バリアフリーなどを推進するとともに、すべての人々が能力を伸ばして生きがいを感じられる社会を目指していきます。
また、子どもの貧困対策や教育のデジタル・リモート化を進めつつ、持続可能な社会づくりの担い手を育てるための教育「ESD(Education for Sustainable Development)」にも力を入れていくとのことです。
SDGsに関する企業の取組事例
SDGsの目標を達成するために日本企業も動き出しています。
SDGsをさらに身近に感じてもらうために各社の取組事例をご紹介していきます。
取組事例1.任意売却による貧困対策
不動産売買・活用の専門家である株式会社オハナ不動産では、経済的困窮からの脱却を支援する取り組みを行っています。
事故や病気、離婚などによって住宅ローンの返済が困難になる方がいる課題を受けて、任意売却という解決策を示しています。
任意売却によって、住宅ローンの返済を停止し、市場価格に近い価格で売却を実現するというアイデアです。
参考:住宅ローン返済困難者を任意売却により救済、経済的困窮からの脱却を支援しています(オハナ不動産)
取組事例2.再生可能エネルギー電源の拡大
東京ガスグループは、再生可能エネルギー電源の導入拡大を推進しています。
2030年には再生可能エネルギー電源の取扱量を500万kWにしていくことを目標として掲げています。
2020年にはアメリカのテキサス州で太陽光発電事業を取得し、建設から運営まで手掛けています。
気候変動の緩和や、クリーンエネルギーの促進に貢献していくとのことです。
取組事例3.新型コロナ感染拡大に対する支援
日本が掲げる「SDGsアクションプラン2021」の重点事項として、「感染症対策と次なる危機への備え」がありました。
この問題に対し、株式会社ノジマは、新型コロナウイルス感染拡大の課題を解決するための支援として、2021年1月30日~2021年2月28日までの期間にチャリティーセールを実施しました。
セール期間中の売上の一部は、東京や首都圏などの各自治体に対して、医療支援事業や新型コロナ関連支援事業を目的として、寄付されています。
今後もノジマは、社会全体で新型コロナウイルスを乗り越えるために、社会貢献活動を展開していきます。
SDGsを達成するために身近にできることから始めよう!
以上、SDGsの概要にはじまり、17個の目標を一つひとつわかりやすく解説しました。
世界ではさまざまな課題が山積みになっており、解決するには1人ひとりが協力していかなければならないと、おわかりいただけたのではないでしょうか。
SDGsの目標は数が多いので、すべての内容に取り組むことは難しいかもしれません。
しかし、一つひとつの目標を意識しているだけでも、私たちが身近にできることが浮かんできます。
「これなら取り組めるかも!」という内容が見つかったときは、ぜひ日常生活で試してみてください。
ノジマのSDGsへの取り組み
株式会社ノジマも、できることからSDGsを達成するための行動を開始しています。
最後にその中から一部の取り組みをご紹介します。
環境への取り組み
ノジマは社会に貢献できる会社でありたいという願いから、SDGsの目標の達成に向けていくつかの取り組みを行っています。
その取り組みのひとつがノジマオリジナルエコバックの無料配布です。
今回の記事では、レジ袋はマイクロプラスチックの原因になると紹介しました。
ノジマはすべてのお客様にマイバッグを持つ習慣を広められるように、全店でエコバッグを配布しています。
また、通常のレジ袋にもバイオマスレジ袋を採用したり、2007年より店頭で化石燃料による商品の販売を停止するなど、環境に配慮した取り組みを継続的に行っています。
※エコバックの無料配布は誕生月特典としてモバイル会員様限定です。
公正に評価される人事制度
ノジマは全ての従業員が公正に評価される会社であることも目指しています。
2021年にはアルバイト雇用から会社役員に就任した30代の女性もおり、性別や年齢、役職に関わらず活躍でき、評価される環境が整っています。
ノジマはジェンダーの平等はもちろん、すべての雇用形態、年齢、性別、国籍に左右されない公正な会社を目指します。
Y-SDGs【上位 Superior(スーペリア】に認証
ノジマは横浜市SDGs認証制度”Y-SDGs”により、第2回認定事業者の上位に認証を受けています。
Y-SDGsの上位の事業者とは、SDGsの達成に向け高く貢献し、全評価項目の概ね6割以上の項目で高いレベルで取り組みを進める事業者を指します。
横浜でSDGsの目標の達成に取り組む企業が増えること、日本でSDGsの認知が進むことは、希望に満ちた世界を作る原動力となりうるでしょう。
ノジマはデジタル家電の販売を通して皆様とともに、より良い世界の実現を目指していきます!
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